iPhone SDKの教科書で考えたこと

「iPhone SDKの教科書」の売れ行きは好調のようで(?)、すでに何人かの方から感想をいただいたり、ブログなどで紹介していただいたりしています(ありがとうございます!)。手の内を明かすといったことではないのですが、この書籍で目指したことを書いておきますね。箇条書きにすると、こんな感じ。

  • 初心者が独習できる。
  • 思考と作り方を学べる。
  • 楽しくてカッコ良い。
  • コードは極力少なく。
  • 知識を羅列せず関連付ける。
  • できるだけ自己完結させる。

counter-sketch

すでに読まれた方は気が付かれたと思いますが、この書籍は一般的なプログラミング解説書とは雰囲気が違います。旅行に喩えると、ありがちな解説書が名所案内だとすれば、こちらは旅行記に近いのかもね。これまで一行もコードを書いたことがない人が、曲がりなりにでもアプリケーションの制作過程を追体験できるように考えたわけです。つまり、初心者〜中級者が対象であって、すでに制作経験が豊かな人には無用の本です(きっぱり)。

追体験したいと思っていただくためには、制作するアプリケーション自体が魅力的でなくっちゃね。少なくとも無味乾燥なサンプルや、説明のためだけのコードはダメでしょ。さらには、説明が長くなると飽きちゃう。そこで、エッセンスを凝縮した題材を用意して、グラフィックス・デザインとサウンド・デザインの専門家にも協力していただいて、スマッシュ・ヒットなサンプルを都合6個用意した次第。

そのようなサンプルの制作顛末記が本書の後半(カウンター以降)ね。そして、本書の後半を理解するための基礎知識が前半部分です。はじめにサンプルありきの逆算的な基礎知識なので、ぜんぜん網羅的ではありません。だけど、一刻も早くアプリケーションを作りたいのに、前提となる長話で日が暮れてしまうのはイヤですよね。だから、iPhone OSのすべては理解できないけど(そんなの無理無理、私もできていない!)、本書の範囲内では過不足のない説明を心がけています。

つまるところ、鬼の一念で何とかプリケーションを作りたいと願う人に向けて書きました。しかもiPhone用のアプリケーションだから、視覚的にも聴覚的にも操作的にも納得できる水準をクリアしたい。そもそも話としても、iPhoneをどのように使い、何を実現したいかというアイディアが大事だし、そのアイディアを現実化する過程を重視したい。そんなこんなで、ちょっと風変わりな「教科書」になったわけです。まぁ、理想と現実は違っているかもしれませんので、お気付きの点がありましたら、お知らせいただけると幸いです。

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