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美術館に行ったら作品の一部になるなんて、知らなかったよ

このタイトルの元ネタは「大人になったらXBOX 360のコントローラになるなんて、知らなかったよ」(TechCrunch JAPANの記事)。3次元画像認識などによって身体動作をセンシングするコントローラを皮肉って、バスルームに貼られたステッカーの言葉がソレ。

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これまでのゲームは手に持つコントローラを使っていたけど、このKinectでは身体動作そのものがゲームへのインプットとなる。こうなると身体によってコントローラを操っているのか、身体がコントローラになって操られているのか、訳が分からなくなるんだろうね。そもそもゲームとは何?プレーヤとは何?って話から、それらを繋ぐコントローラ(インターフェース)って何って話になって、曖昧な状況が露呈してくる。

それで思い出したのが、いわゆるインタラクティブ・アートで、少なくとも構造上は、ゲームと同じお膳立てである場合が多いからね。手をかざすと音が鳴ったり、映像が煌めいたりするような作品はゴマンとある。ゴマンとあるのは構わないけど、なぜ手をかざすのか、なぜ変化が起こるのか、良く分からないのは困っちゃう。ましてや、その結果が凡庸だったりすると、かなりブルーな気分になる。

ともあれ、インタラクティブ・アートは観客の参加を要請するものの、要請された観客は「知らなかったよ」と思うことは当然だよね。ほとんどの人にとって、美術館に行くのは作品を鑑賞するためであって、作品に参加するためじゃない。もちろん、美術館という制度や鑑賞者の意識・認識なども絡む問題だけど、このことは作家として自覚的に考えるべきだと思うんだよね〜自戒も込めて(この項続く、かな?)。

Wolfgang Flürになろう!Part.3

iPhoneのタッチパネルを駆動するために、Part.1Part.2と導電性スティックを検討してきました。ところが、最近になって意外な伏兵が韓国から出現。

これがスゴイのは手袋をしていても問題なくiPhoneを操作できること。つまり、人体を必要としないので、ロボットでもiPhoneを操作できることになります。画像認識とロボット・アームで超高速UI操作マシンも夢じゃないですね。

韓国からの留学生に調べてもらったところ「人体のように電解質と水分があって導体役割になるソーセージや乾電池、ミカン、玉ネギなどの物体がiPhoneのタッチに成功した」って書いてあるそうです。実際に試したところ、ソーセージは魚肉でも豚肉や牛肉でも大丈夫だったとか。

それでは!と私が試したのは、ちくわ、かに風スティック、チーズ・スティックの3種類で、いずれもOKでした。ただ、ビニール包装と食材との接触率が低いと安定した動作にならないみたい。その意味では、チーズ・スティックが良好で、ソーセージは理想的なスティックのようです。

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(今回の3種類は要冷蔵なので、長時間使用には向かないですね。食べ物は大切に〜)

Wolfgang Flürになろう!Part.2

Part.1で導電性のスティックを用いて、叩いた瞬間に接触する面積がある程度大きいことが動作条件になることが分かったので、Part.2ではスティックを工夫することにします。

最初に試したのは導電シートで、電気を通すスポンジですね。東急ハンズで200円弱。これをアルミ棒の先端に巻き付けると(写真右上)見た目はスマートであるものの、反応はイマイチ。2枚の幅広シートで挟み込み、アルミ棒の先端から半分はみ出るように取り付ける(写真中央)と、随分と反応は改善されます。

意外な伏兵だったは、Craftwifeさんから提案していただいた小麦粉を水で練って粘土状にしたもので、かなり反応が良いです。こちらは食紅でピンク色にして導電性樹脂棒に取り付けています(写真左下)。色まで付けるあたり、さすがはクラフトする主婦でございます。

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ただし、いずれも押し付けるようにスティックでiPhoneを叩かないと反応しない場合があります。スナップや反撥を利用して素早く叩くトリルやロールのような高速奏法には追従してくれないのです。

そこで、今度はiPhoneのスクリーンに伝導シート(写真右上)、小麦粉粘土(写真右下)、水を含ませた状態の高分子吸収ポリマー(写真左上)、そして水滴(写真左下)を載せて、素の金属棒や樹脂棒で叩いてみます。ちなみに、高分子吸収ポリマーはrecotanaさんに教えていただいたもので、介護用品(オムツ)などに含まれていますね。

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その結果、私のような素人奏者が叩く程度であれば、水滴とポリマーはロール奏法に追従してくれます。伝導シートと小麦粉粘土はダメでした。もっとも、水滴やポリマーはスクリーン面を傾けると流れちゃうので、ハンディ・パーカッションには向かないですね。水平固定置きにする場合でも、直径で25mm以上にできないのが難点。

ところで、念のため(安物の)テスターでそれぞれの電気抵抗を計ってみました。あれ?反応がイマイチな導電シートが最も抵抗値が小さいですね。素人電気実験者としては何が何だか分かりません(苦笑)。

伝導シート 20KΩ
水滴    1MΩ
ポリマー  3MΩ
小麦粉粘土 4MΩ

そんなこんなで最適解は見つからないままですが、現時点では先端に小麦粉粘土を取り付けた金属棒や樹脂棒をスティックとして用いることにします。高速奏法はできませんが、少なくとも電卓(Pocket Calculator)では8分音符でしか叩いていないので問題ないです。また、小麦粉粘土は次第に乾燥するのが厄介ですが、これもオーボエ奏者のリードみたいなものだと思えば納得できますね。(以後Part.3に続く)

Wolfgang Flürになろう!Part.1

Wolfgang Flürは最盛期(?)のKraftwerkに在籍していた人で、おもにエレクトリック・パーカッションを担当していました。で、この人になりたいんじゃなくって(笑)この人が使っていたパーカッション・デバイス、それも電卓(Pocket Calculater)という曲で使っていたハンディ・パーカッションを作りたい、というのが今回のプロジェクト。YouTubeのビデオなら45秒目あたりから映ってます。余談ながら、この人はメンバーの中で一番ロボットっぽいというかサンダーバードの人形みたいですね。

さてさて、デバイス&音源はiPhone&アプリでサクっと作るとして(ここに議論の余地がないのは狂ってる!?)、問題はスティック。iPhoneのタッチ・スクリーンは人の指に反応するように作られているので、普通の木製スティックでiPhoneを叩いても動作しない。iPhone用のスタイラス・ペンも何種類か試してみたものの、いずれもペンを押し付けるようにして使うので、スティックっぽくは叩けない。

そこで動作原理に立ち返ってみると、iPhoneのタッチ・スクリーンは静電容量方式なので、手に握るスティックは電気を通す必要があります。このような電気伝導体としては金属棒が一番入手し易いですね。例えば、30cm長のアルミ棒なら東急ハンズで200円弱。他にも導電性のある樹脂製の棒もあって、こちらはモバイル・カフェに参加されている方に紹介していただきました(メンバー多彩!)。ミスミという通販サイトなら、樹脂ロッド丸棒材料の品番RDJG、MCナイロン・導電性グレードCDR2が良いそうです。30cm長で1,600円少々でした。

しかし、このような金属棒や樹脂棒でiPhoneを叩いても反応しないんです。電気的には静電容量は変化しているはずですが、接触面が小さい場合はタッチとして見なされないみたい。これはスクリーンに水滴を垂らして、手に持った金属棒で水滴に触れることで実験ができます。いろいろと試した結果、水滴が円型であるとして、直径が5mmより小さい場合(写真左側)はタッチになりませんでした。また直径が25mmよりも大い場合(写真中央)も、これまた無視されます。

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と言う訳で、導電性のスティックを用いて、叩いた瞬間に接触する面積がある程度大きいことが動作条件になることが分かりますね。(以後Part.2に続く)

超簡単ステレオ撮影機

以前の「超簡単iPhone撮影機」に続き、AirCameraリリース記念の超簡単ステレオ撮影機を作りました。前回同様、工具なしのネジ留めだけで1分で完成する横着コースです。

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材料

  • エツミ 撮影用品 フリーツインプレートDX E-6045 1,845円×1個 [Amazon]
  • 上海問屋 携帯電話用 三脚固定ホルダー DN-100CC 399円×2個 [Amazon]

組み立てはプレートにホルダー2個をネジ留めしてiPhoneを2台取り付けるだけ。iPhoneのカメラの間隔はホルダーをピタリと寄せた状態で約77mmになります。これは偶然にもFinePix REAL 3D W1と同じ間隔ですね。人の両眼の瞳の間隔は平均で約65mmだけど、ちょっと広めのほうがステレオ感が強調されるとか。

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このようにして作ったステレオ撮影機は手持ちで撮影してもいいし、三脚に取り付けてもいいですね。三脚は自由雲台タイプのほうが使い易いかもしれません。自由雲台は単体で購入して取り付けることもできます。

オプション材料

  • SLIK コンパクト自由雲台 SBH-60 1,782円×1個 [Amazon]

後はそれぞれのiPhoneでAirCameraを立ち上げて、どちらかのシャッター・ボタンをタップすれば、同時に撮影が行われます。2台のiPhoneの取り付け方や、それぞれのiPhoneの撮影状態が気になることろですが、それほど厳密でなくても大丈夫かもしれません。以下の写真は左右で明るさや画角が違ってしまったペアを敢えて選びましたが、ちゃんと立体視できますよね。ステレオ写真としては出来がイマイチとは言え、イマイチだからこそ脳内処理の優秀さが感じられます。

stairway-stereogram-crossviewing(交差法)

stairway-stereogram-paralellviewing(平行法)

超簡単iPhone撮影機

プレゼンテーションなどでiPhoneを見せたい時があります。多くのアプリは書画カメラで事足りるけど、そうはいかないのがセカイカメラなどのカメラやセンサーなどを活用したアプリですね。流石に市販品はないので、撮影補助装置を自作することになり、頓智・CTOの近藤さんは3号機まで作っているとか。

私は可能な限り手抜きしたいタイプなので、ホームセンターにも行かず、ましてや工具類も使わないポリシーで作ったのがコレ。Amazonで発注して、手でネジを留めて1分で組み立て完了。これ自体を三脚に取り付けることもできます。

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材料

  • エツミ 撮影用品 縦位置L型ブラケット E-6082 1,587円×1個 [Amazon]
  • 上海問屋 携帯電話用 三脚固定ホルダー DN-100CC 399円×2個 [Amazon]
  • 三脚穴用ネジ(1/4-20UNC) 1個 (手持ちを流用)
  • Logicool ウェブカム C300  2,436円×1個 [Amazon]

合計5,000円弱ですね。自前のカメラを使えば2,000円前後で済みそう。

iPhoneとカメラとの距離は10cmほどなので、カメラは焦点距離が短く取れてマニュアル・フォーカスができる機種がオススメ。C300はこの条件に合って画角もぴったり、Macでもドライバ要らずです。ただ、最大解像度だとフレーム・レートが落ちるので、セカイカメラ的な用途にはVGAかSVGAで表示するのが良さそう。

iPhoneとカメラを外すと、こんな感じ。C300は三脚穴がないのでホルダーを使っています。このあたりは使用するカメラに合わせて適宜調整してください。

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【追記】明日の東京ビッグサイトでのイベントでは、「10分でできるiPhoneアプリケーション」と題して、AR風シューティング・ゲームをササっと作る予定。この撮影機はそのために作ったのでした。

Boseヘッドフォン3種

Boseさんからヘッドフォンを3種類評価用にお借りしていたので、ちょこっとコメント。大中小とありますが、それぞれセットまたは別売キットで通話マイクをアタッチできるというiPhone仕様。ヘッドフォンとして快適に音楽を聴きながら、通話やiPhoneコントロールもストレスなくスムースに〜ということらしいです。

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(上)Mobile On-ear Headset、(左下)QuietComfort2、(右下)QuietComfort3

それはそれでOKなんだけど、個人的にはあまり音楽を聴きたくないんですよね(笑)。だから、実はノイズ・キャンセリング機能ばかり使っています。スイッチをオンにした瞬間に彼岸に連れて行かれそうな異次元感は最高ですよ〜(バッド・トリップしちゃう人もいるみたいだけど)。静かな部屋であればあるほどグッドです。その意味では、キャンセリング効果の高いQC2がオススメかな。ただ、旅行などではかさばるのがツライところ。

そんなこんなで、Boseも本来の音楽再生機能は省いて、ノイズ・キャンセリングのみに特化したヘッドフォン(と言うのか?)を作って欲しい。だって、音楽を聴きたい人よりも、騒音から逃れたい人のほうが遥かに多いからね。その潜在的市場はまだ掘り起こされていないと思う。小型軽量で装着を意識させないものだったら良いね。どうしても音楽を聴きたい場合は、QC2的なヘッドフォンの下にイン・イヤー・ヘッドフォンをつければ良い訳だしね。結構これはバランスが良いと思う。

NADA Mobileでフィジコン

フィジコンって勝手に略しちゃってゴメン!なんだけど、NADA MobileはiPhoneでフィジカル・コンピューティングを実現するツールキットでございます。より正確には、iPhoneのマイク&ヘッドフォン端子に繋いだセンサー類を使ってゴニョゴニョしましょうってことです。ケーブルはお馴染み(?)の4極ミニプラグのAVケーブルを使います。マイク入力やヘッドフォン出力は高精度なA/DおよびD/Aコンバータですからね。これ王道かも。

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プログラムはMacのDashcodeを使ってJavaScriptで記述、そいつをSketchServerを通じてiPhoneのRunSketchに送り込んで実行、という流れです。iPhone上でプログラムが書けるともっとイイんですけど、何かと面倒があるのかもね。

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フィジカル・コンピューティングという言葉に語弊があるし、iPhone自体がフィジカル・コンピュータでしょ!とも言えますが、このような試みはiPhone OS 3.0以降は活発化しそうです。Bluetooth接続できるArduinoMindstorms NXTあたりに注目ね。Gainer/Funnelも対応して欲しいな!

後は、電子回路の設計が問題かな(少なくとも私にとって)。NADA Mobileのチュートリアルでも可変抵抗(ボリューム)を使うだけなのに、それ以外に固定抵抗が必要だったりして、それ方面の知識がなければできないよね。

【From: Make: Japan

星空のリアリティ

Googleが作ったAndroid用SkyMapは、インタラクティブ星座早見表なんだけど、加速度センサーと電子コンパスを使って、Androidフォンを向けている方向の情報を見たり、特定の星を探すガイドをしてくれるんだって。

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星の光は弱いから、カメラのライブ・ビューには映らないだろうね。だからARとは言っていないみたいだけど、手法的にはAR(の一種)だね。ただ、カメラの性能云々以前に、大気汚染や光害が問題。人々の視力も衰えているしね。最早見えなくなった星空を、ARを通じて見るってのはロマンじゃないよな。

ついでながら、天体望遠鏡が発明された頃にティコ(だったかな?ケプラーのお師匠さん)が、望遠鏡によって初めて見える星は星なのか?と問うたそうですよ。

香港でiPod Shuffle

iPod Shuffleが発表された翌日に香港の電脳街(雑居ビルの2フロア程度の小規模なところ)で探してみたけど、見つからず。この手の新製品はApple Store(オンラインのほうね)が早いとのことで、13日の夜にオーダーして、昨日16日に届きました。HK$600.00なので、日本円にして7,600円少々かな。一割ちょっと安いです。

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