モノリスの応答 / Monoliths Respond

「モノリスの応答」は24台のiPadを用いたインタラクティブな展覧会です。iPadは来訪者を取り囲むように空中に浮かんでいます。そして、その場にいる人々の姿や音が取り込まれて再構築され、次第に変容していきます。人の存在と取り巻く環境、そして事象の生成と予期せぬ偶発、それらの関係性の創出と崩壊が絶え間なく繰り返されることになります。

展覧会「モノリスの応答」

24のモノリス、 音と光のうつろう空間
赤松正行・福井悠人展
会期:2026年1月16日(金)–18(日) 12:00–17:00
会場:OKBギャラリーおおがき
   岐阜県大垣市高屋町1丁目59番地 【地図】
主催:情報科学芸術大学院大学・運動体設計
入場:無料

Exhibition venue sketch arranged by Nano Banana Pro

この展覧会では、数分ごとに以下の4つの作品(アプリ)が展示されます。

soundtronics

1994-2026 赤松正行

soundtronicsは周囲の音を録音し、さまざまに変化させて再生するアプリです。寿命をもったセルに記録した音は、状況や経過によって破棄したり、範囲やピッチを変えて再生したりします。言わばsoundtronicsは音の生命体として飽くことなく活動し続けます。

このアプリは1台でも楽器的な自動サンプラーとして楽しむことができます。一方、この展覧会では、iPadが発した音を近くのiPadが聞き取るので、一つの音が次々と伝播します。つまり、展覧会場は24の音響生命体が棲まう共生空間となり、音の生態系が生まれます。

この作品の原型は赤松正行が最初の個展のために制作しました。24台のMacintoshを設置し、すべての調整を終えた翌日、1995年1月17日に阪神・淡路大震災が起こり、展覧会は中止になりました。今回の展覧会では幻の姿を再現しつつ、今日的に更新しています。

[App Stoeからダウンロード]

参考:soundtronics field, 1995(震災後の東京での展覧会)

Ugokist

2024-2026 赤松正行

Ugokist(ウゴキスト、動きを意識する人)はカメラ映像のリアルタイム・エフェクターです。カメラが捉える動きの大きさによって映像処理をするので、動き方によって映像も大きく変化します。映像処理は反転、残像、遅延、拡大、回転、色相など15種類があります。

このアプリは鏡に写る自分を見るように画面を見て楽しむことができます。さらに今回の展覧会では24台のiPadが来場者を取り囲むように配置されているので、自分のさまざまな姿が現れます。さらに他の人が映ることもあり、全体として多彩な光景が立ち現れます。

この作品の原型はインタラクティブなビデオ・インスタレーション「Time Machine!」です。ビデオ・カメラ映像をMacによって時間的な処理してプロジェクタで体験者の眼前に表示します。2002年より国内外で展示を行い、2005年に博士論文としてまとめました。

[App Storeからダウンロード]

参考:Time Machine!, 2002-
   TM5 – Time Machine! version 5, 2005
   リアルタイム映像表現の可能性/2005
   うごキスト / Ugokist with 24 iPads, 2024

SinOscillators

2025-2026 赤松正行

SinOscillatorsは9基のオシレータによる奇妙なシンセサイザーです。特殊なサイン波生成のアルゴリズムを用いているので、予測も制御も難しい音響が生成されます。時にはノイジーであり、時には不気味な音になり、時には長く聴き入る不可思議な音が誕生します。

1台でも多様な音を奏でるSinOscillatorsが、この展覧会では立体的に配置された24台ものiPadで鳴らされます。その音響空間はカオスとも呼べる複雑さでありながら、同時に奇妙な調和を生み出し続けます。それは人が少し動くだけでも変化して聞こえる繊細さを持っています。

この作品の原型は2008年のiPhoneアプリ「Chaotic Audio Oscillator」です。当時はアプリ開発が禁止されており、非公式のツールを用いて手探りで制作しました。それゆえに生じた間違った音響合成方法を活かしながら機能強化したのが、現在のSinOscillatorsです。

[App Storeからダウンロード]

参考:Chaotic Audio Oscillator for iPhone, 2008
   One hour with SinOscillators – Performance 1&2 Mix, 2025

Straylog

2026 福井悠人

誰かのカメラに映り込んだ顔、集合写真やストーリーズは、SNSや他者のアルバムに、意図しない表情や角度のまま残り続ける。そこでは撮影の主体も、公開の判断も、自分の手を離れ管理外に置かれている。それでも画像だけが流通し、いつの間にか「そこにいた証拠」になる。私たちは、撮られた瞬間の自分を選び直せないまま、顔だけが別の文脈で見られ続ける。

《Straylog》は、この感覚を空間の出来事として立ち上げる。鑑賞者がそこに立つと、何も起きていないように見える時間がある。けれど空間のどこかで、見えない記録が進み、顔の像だけが別の場所に残されていく。原因と結果が別の場所に分かれ、記録がどこで起こっているのか分からないまま、「いまの自分」だけが散らばっていく。空間に滞在するほど、不意に切り取られた自身が空間を埋めていく。自分の顔なのに、自分で管理していない。その違和感が、空間全体として増幅される。

顔がコミュニケーションの表情である以前に、識別や流通のためのインフラとして扱われる時代に、私たちはどこまで自分の顔を所有できるのか。この空間では、何も起きていないはずの場所から、すでに記録が始まっている。

ポストカード

[Download Postcard PDF / ポストカードのPDFをダウンロード]

Exhibition: Monoliths Respond

24 Monoliths: A Transient Space of Sound and Light
Masayuki Akamatsu and Yuto Fukui Exhibition
Period: January 16 – 18, 2026, 12:00–17:00
Venue: OKB Gallery Ogaki
1-59 Takaya-cho, Ogaki City, Gifu Prefecture [Map]
Organized by: Institute of Advanced Media Arts and Sciences (IAMAS) / Visions In Motion
Admission: Free