PlaceEngineとCore Location

iPhoneにはCore Locationが備わっているので、先のロケーション・アンプを見て、何故にPlaceEngineを?と思われた方もいらっしゃると思います。その理由のひとつは、PlaceEngineが勝手度(笑)が高いからなのですね。どちらもWi-Fi信号を元に現在位置を推定する点では似ているんだけど、推定の元となるデータベースへの登録が正反対のアプローチなのです。

まず、Core Locationは、開発元のSkyhook社が独自に情報収集するプロプライエタリ手法。情報の信頼性はSkyhookが保証しているとも言えるけど、Skyhookが調査していない地域では、何の情報も得られません。Submitができるものの、これは本質的ではないらしい。

一方、PlaceEngineは、開発元のクウジット社自身も情報収集しているけど、ユーザが独自に情報登録ができるオープン方式で、これが大きな違い。例えば、IAMASは小さな学校の割りには山ほどWi-Fiポイントがあるので、何時間かかけて位置情報を登録しまくれば、高精度位置情報Readyになっちゃいます。

つまり、Core Locationは伝統的・権威主義的な地図(=Britannica)で、PlaceEngineは現代的・集合知的な地図(=Wikipedia)なワケですね。技術的な優位性を含めて、どちらに軍配が上がるのかは興味津々ですが、勝手度、自由度としてはPlaceEngineのほうがステキでしょ? もっとも、ユーザとしては両方使えばいいじゃん、ですけどね。

ちなみに、Skyhookのサービス・エリアを見ると面白いですよ。日本では東京周辺と大阪周辺だけなのはマダマダですね〜って感じですが、彼らの行動が分かっちゃうところが素晴らしい。

コイツら成田と関空から日本に入出国したな〜とか、ツクバと松下(門真市)に行ったでしょ〜とか、関空からポーアイへ船で渡ったのかな?とか、ね。位置情報はプライバシー問題に直結しているけど、Skyhookの手法は(少なくとも初期は)、彼ら自身がプライバシーを露にしているワケです。すでにアルバイトくん達が調査を始めているようで(特に東京)、その痕跡が相対的に薄まりつつあるみたいです。

それから、PlaceEngineには撹乱情報も登録できるから、それにどう対処するのかはクウジットさんのお手並み拝見ですね。これまた集合知の問題と言うか特徴でもあるので、単純に位置情報が得られてウレシイという以上の興味が湧いてきます。

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