さようならAndroid、こんにちはAndroid

星の数ほどあるAndroidフォンの中で、個人的にはGoogleブランド機しか持っていない。それはたぶんOSとしてのAndroidに興味があっても、各社から発売されているAndroidフォンはちっとも魅力的じゃないからだろうね。そんな訳で、写真の左から順にDev Phone (2008年12月)、Nexus One (2010年1月)、Nexus S (2010年12月)と、ほぼ1年ごとにリリースされてきたラインナップ。

three-android-phones

Googleフォンに比べるとケータイ・ショップで見かけるAndroidフォンは相当ダメダメです。それにはいくつか理由があるけど、最大の元凶は厚化粧。これは構造的な問題で早晩には解決しないかもね。なぜって、各社が同じAndroidを使う以上は基本的には横並びで、差別化という名の元に苦し紛れの厚化粧をせざるを得ないから。その結果として過剰な装飾で動作が緩慢になったり、バッテリーが短時間しか持たなかったりで、悲惨な状況が続いている。

ハードウェアに関しては厚化粧はさらに深刻で、もはやスキゾフレニアな状況(統合失調症!)。CPU/GPUや画面解像度がバラバラなのは開発者が血と汗と涙を流すだけでなくて、何百台もの機種を動作検証するコストはユーザに当然跳ね返ってくる。GUIとは違って変更できないハードウェア・ボタンだってバラバラ。メーカーやキャリアのロゴは要らないのに、なぜかそこだけ堅牢だったりする。

もちろん、そのような醜悪な状況にはGoogleも辟易しているらしくて、今後はメーカーやキャリアの独自GUIは禁止するとか。それを端的に表しているのが、最新リファレンス・モデルたるNexus S。何しろ、パッケージを開けてビックリ、Nexus Sの正面はひたすら漆黒のノッペラボウであって「何もナイ」。これは初代iPhone以来の感動です。最新バージョンのAndroid 2.3 Gingerbreadも可能な限りシンプル&クイックを目指している。さらにホーム画面にもアプリが「何もナイ」。そこまでしなくても〜と笑っちゃうけど、馬鹿なメーカーやキャリアに対する痛烈な皮肉だね。

nexus-s

おそらくAndroidはパソコンやインターネットの時代のルールに縛られていて、何とかそこから抜け出したいんじゃないかな。PCに不要なソフトが山盛り組み込まれていて、WEBサイトに無駄なムービーや下手なインターフェースが満載なのと一緒でしょ。それにパソコンやインターネットは特殊な専門家のための世界であって、それを一般的な人にまで無理強いするのは限界に達してる。ましてや全世界的全世代的な情報環境を目指すモバイル的展開に適さないのは明白だからね。

一方、Barnes & Nobleが発売する電子書籍リーダーNOOKはとっても印象的。NOOKはほとんどAndroid臭がないものの、レッキとしたAndroidマシン。AndroidってケータイOSのことだと思ったら大間違いという好例だね。それも書店チェーンごときが(失礼!)Androidをベースにしてオシャレなデバイスを作ってしまうのが鮮やか。初代は2009年11月発売と比較的早い時期だったし、1年後にはE-InkからカラーLCDに変えたNOOK Colorを出す大胆な展開ぶり。

two-nooks

このNOOKのようなAndroidは極めて正しいと思う。同じように、例えば楽々フォンみたいなケータイをAndroidで作るのが正しい道だと思う。Google Voiceをベースに各種クラウド・サービスを連携させて、でも見た目はボタンが3つくらいしかない、とかね。こーゆーのはiOSではできないし、Androidの本領が存分に発揮できるよね。ってかモトイ、ケータイはもういいです(笑)、もっと他のことにトライして欲しい。

つまり、iPhoneのようなAndroidフォンやiPadのようなAndroidタブは要らない。AndroidはiOSに対するカウンター・カルチャーであって欲しいけど、その表現形は単なる二番煎じなのでカウンター足り得ていない。専門家に好都合なAndroidであっても、ユーザを魅了するAndroidには成り得ていない。GoogleはAndroidにもっと独自性と革新性を与えるべきだし、その取り巻き連中もAndroidゆえの独創性と無鉄砲ぶりを発揮して欲しい。と思うのだ、他力本願で非常に勝手ながら(笑)。

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  1. ピンバック: NOOK ColorでHoneycomb « akalogue

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