iPhone 1.1.2からの脱獄

昨日のドイツでのiPhone発売に合わせて(ちょっとだけ先行して)、AppleからリリースされたiPhone(およびiPod touch)のFirmwareバージョン1.1.2へのアップデート。1.1.1で利用されたTIFFライブラリの脆弱性は、セキュリティ上当然フィックスされたので、再び牢屋入りになります。と思いきや、何時間も経たないうちに解決されちゃいました。早い早い超特急。

脱獄方法はココココ、SIMロックの解除方法はココ、罠にハマっちゃった人の反省方法はココ、ってあたりかな。iNdependenceやiFuntasticあたりのお手軽ソリューションも登場するでしょうから、それから試すよ!とUS特派員は申しておりました。

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ところで、なぜこんなに素早く対応できたのかを考えると、まずは、iPhoneの解析が進んで、勝手開発チームにノウハウが蓄積されているってことがあるよね。0.0.1アップだから大幅な変更がなかったことも想像できる。

だけど、それだけじゃなくって、公式SDKが予定されているように、今後Appleはオープンな方向に進むんじゃないかな? 勝手開発チームの活動も妨害しない。もちろん、Android/OHAの影響もあるハズ。むしろ、Android/OHAを利用しているんじゃないかと邪推したくなるな。

つまり、最初はクローズドなシステムを前提に、通信キャリアと有利な条件で契約を結ぶ。これは、Appleにとっては新規参入分野だから、相手を納得させるだけの餌が必要だからね。次いで、製品を成功させてマーケットでの地位を確立すれば、徐々にオープンな方向に持って行く。この時に業界や消費者の動向をうまく利用して、通信キャリアに圧力をかけて承諾させる。

ただし、オープンであるのはサービスやコンテンツのことね。ハードウェアに密接に結びつけたソフトウェア(OS)の独自性・占有性は譲らない。iPhone/OS XこそがAppleの聖杯であり、利益の源だからね。何度か書いたけど、デジタル・コピーに価値はないという事実とも適合する戦略になっている。

ちなみに、これってiPod/iTunesが辿って来た道と同じだよね。最初はDRMでレコード会社を安心させておいて、マーケットを確立した後に、消費者の反対運動などを後ろ盾にして、DRMを廃止する。ね!一緒でしょう?

ただし、音楽より何倍も通信はパイが大きいから、人的リソースが何倍も投入されて(勝手開発チームも含む)、iPodとは比べ物にならないくらい急ピッチで事態が進展している。なんだかクラクラするよね。このジェット・コースターの行き着く先がどこなのか、とっても興味深いです。

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