iPhone」カテゴリーアーカイブ

iSCSynthに大期待!

iPhone SDKではオーディオへのアクセス方法が複数ある上に、凝ったことをしようとすると大変です。MSPやSuperColliderなら10分でできることが丸1日かかっちゃう。オーディオ入出力のAPIはあっても、オーディオ・シンセシスのためのAPIは皆無だからね。サイン波を鳴らすだけでも、自分で計算しなければならないワケ。OscillatorEchochopsは地道に自前でシンセシス(というレベルではない)してるんだけど、その路線を続けるほど酔狂じゃない。

そこで既存のオーディオ・ライブラリを利用したいわけだけど、これまた適当なものがない。これまでの例で言えば、PocketGuitarが採用したSTK (Synthesis Toolkit)はC++ベースなので面倒ってか、言語として好きではない。RjDjが利用しているPd (Pure Data)もイマイチなのは、MSPからすれば貧弱過ぎるし、以前にThe Breadboard BandでiPod Linuxで使ってヒドイ目にあったから(笑)。NeXT時代から使われていたMusicKitはObjective-Cベースで一番素性が良いけど、近年アップデートされていないのが不安を誘う。

そんなこんなで思いあぐねていたところ、SuperCollider (scsynth)のiPhoneへの移植情報がSC-MLに出ていました。SuperColliderはシンセシスの機能の豊富さや記述能力の高さでは当代ピカイチだから、これは期待せざるを得ないですね。これで他のライブラリが吹き飛んでしまいました。現状ではパフォーマンスの改善が必要だそうですが、今すぐにでも使ってみたいところ。Axel Balleyさんが取り組まれていて、協力者募集中とか。

SuperColliderも主要部分はC++で記述されていて、オーディオ入出力はCore Audioに対応しているので、iPhoneとの親和性が良いハズ。だから、随分以前にSCマニアのtn8さんに誰か移植していないの?と尋ねたんだけど、その時はそんな動きはナイとのことで悲しい思いをしていました。でも、もう大丈夫(?)です。

iTunes 2008 トップテン

先日、USのiTunes 2008 トップテンが発表されました。赤松アプリはFree Utilities Appsで第5位と第6位に入っています。無料なので儲かったわけではありませんけど、有り難いことです。

ちなみに、日本のiTunes Storeでもトップテンが発表されていますが、こちらは総合ランキングのみで、部門別はないようです。ま、USでも日本でも総合トップテンには入らなかったので、残念至極ですぅ。まだまだ精進が足りないようです(涙)。

それから、和田純平さんのMini PianoもFree/Musicで第5位になっています。IAMASのiPhone Study Groupメンバーから3つもランキングしているワケで、そんな学校ってちょっと他にない(ハズ)です。

全体としては、笠谷真也さんのPocketGuitarがPaid/Overallで8位、Paid/Musicで堂々の1位が光ってますね。それ以外では日本人(と思われる)チャートインがないのが寂しい。USまたは海外で評価を得ること自体が重要ではないけれど、国内でしか売れなければちょっとツライんじゃないでしょうか。またしても鎖国状態って言われてしまいますしね。

Snowflakes w/bass

昨日、名古屋のKD Japonでの「Snowflakes w/bass」を終えました。これまで、大垣、上海と少しずつブラッシュアップして来たんだけど、昨夜は「突き抜けた」感があって、かなり満足できる内容になりました。これまで3人で制作したSnowflakesを、今回は他の2人のパートの素材も使って再構成したものです。

ライブセットの前半は、平尾義之のサックスを使ったフィードバック装置や亀田暁彦さんのSuperColliderによるピアノ・プロセッシングによって怪しい雰囲気が充満して来たところで、後半は加藤さんの素数チューニング・ベースの強烈極まりないソロに圧倒されていました。そんな流れでの最後の演目がSnowflakes w/bassだったので、全体構成のとしても良かったんじゃないかな。

一方で、多数のiPhone/iPod touchによる自律分散システムとしてのパフォーマンスの在り方には、さらに考えていく必要がありそうです。今回は、システムのコントロールとして即興的に演奏する割合を増やしたので、それが効果的に働いたような気がします。パフォーマンスとしては当然の帰着かもしれないけど、観客の参加とのバランスをどう取るかが、ますます重要になってきました。

Mac Fan 2009年1月号

う〜ん、2009年かぁ〜って感じですが、Mac Fan 1月号が届きました。期待を裏切ることなく、今回も「非開発者向けiPhoneアプリ開発講座」がグッドです。今回はiPhone SDKの入手&インストールあたりから、Xcodeでの開発手順を経て、実機で動作させるまでが、豊富な図版とともに解説されています。証明書やプロジジョンのあたりって、分かりにくいですけど、これで初心者な方も大船に乗った気分になってください。この連載(?)きっと遠からず単行本化されるんでしょうね。

私の連載では、今回は筐体系のお話。ここで取り上げた映画「2010年」の浜辺のコンピュータって、かつては憧れの的だったけど、今じゃ数段小さなiPhoneがありますからね。でも、木星には行けそうもないし、HALもいない2010年の1年前です。

エコー・マシン【Echochops】リリース

昨日、App Storeから新しいiPhoneアプリケーション「Echochops」がリリースされました。シンプルなフィードバック・ディレイですが、入力する音とともにパラメータの設定やマイクとスピーカーの位置関係で、いろいろと遊べると思います。毎度お馴染みの115円アプリですので、即ゲットしてください(懇願!)。

おススメは、OptionでOutputをSpeakerにして、ナチュラル・フィードバックによる強烈なノイズ奏法ですね。パラメータ操作だけでなく、マイクやスピーカーを指や紙などで覆って、ナチュラル・フィルタも掛けてみてください。あるいは、マイク付きヘッドフォンを挿して、iPhoneを持ってお散歩、というのもオススメ。RjDjなどもそうですが、この手の日常を非日常に変えるサウンド・ツールは面白いし、まだまだ可能性があると思います。

スクリーン・ショット等はApp Storeや他のレビュー・サイトでも紹介されています(ありがとうございます!)ので、ここではボツになったアイコンを載せておきます(でも次期バージョンで採用するかも)。これを見てピンと来た人もいらっしゃると思いますが、元ネタは永遠の銘機Echoplex (Maestro)です。現アイコンもEchoplexのツマミから。ビンテージ機器には興味がない私が、唯一持っているのがEchoplexなのです。

サンレコ誌でiPhone対談

サウンド&レコーディング・マガジンの12月号に、iPhoneを巡っての対談が収録されています。Cross Talk Vol.12「iPhoneが変える音楽の形」。レコーディング機材とかDAWテクニックとかを期待してページをめくっていて、いきなりiPhoneが登場してビックリした人も多いハズ。IT系雑誌なら当たり前でも、これは音楽雑誌ですからね。

対談のお相手をしていただいたのは、泣く子も黙るサウンド・エンジニア&アーティストのD.O.Iさん。随分以前にTrans Max Night – Tokyo Operationのライブでご一緒して以来のお久しぶりモードでした。当時もMaxを使い倒されていたので、新し物好き(ネオフィリア)なのは間違いないでしょうけど、初代iPhoneがUSで発売された直後からのユーザであるのはサスガです。

それで、このCross Talkは、普段は真空管コンプ徹底聴き比べみたいな企画です。なので、そんな感じかなと〜それなりに準備していったものの、iPhoneの音楽アプリ自体に触れることは僅かばかり。しょっぱなからハードコアな話題が渦巻き、それはそれは熱い議論が展開されたのです。個々人の体験としてのiPhoneの魅力から始まり、音楽表現(に限らないけど)の未来はiPhoneにしかない的な妄想に至るまで、その内容は誌面でご確認ください。

ともあれ、このような企画を断行するサンレコ誌は素晴らしい!です。それでこそサンレコって感じですね。思い起こせば、10年以上前からMaxを継続的に取り上げていたのがサンレコでした。その頃は、音楽とプログラミング言語とが結びつかない人がほとんどだったと思うから、巷の読者から一歩も二歩も先に進んでいたことになります。だから、今ならiPhoneを取り上げるのは当然だとしても、やはり勇気ある英断です。拍手!

11/24は銀座でiPhone大作戦

おかげさまで毎回超満員御礼のレクチャー&プレゼン・シリーズ「IAMASイキマス、DSPでBANG! 2008」、全3回無事に終了したにも関わらず、さらなる番外編を行なわせていただきます。これまでチャンスを伺いながらもNDAの壁に拒まれていたDSPプロジェクト〜iPhoneスタディ・グループの登場、その名も「iPhone大作戦」です。本年4月より、ベータ版のSDKに苦労しながらも、IAMASでiPhoneに取り組んで来た経緯をご紹介し、App Store、展覧会、コンサートと、その成果が多方面に現れつつある現状をご報告します。iPhoneアプリケーション開発における小ネタや大技を含めて、その内情と悲喜交々をお届けできればと思っています。お誘い合わせの上、ご来場いただきますよう、ご案内申し上げます。

IAMASイキマス、DSPでBANG! 2008 【番外編】
iPhone大作戦

日時:2008年11月24日(月・祝)16:00~18:00
出演:赤松正行、平林真実、和田純平、大田祥子、宮川英利
会場:アップルストア銀座店 3F

入場料無料 事前予約不要

プレゼンテーションの内容はコチラをご覧ください。

スタンフォード大学の開発教材

スタンフォード大学がClass CS193P: iPhone Application Programmingとして、iPhoneアプリケーションの開発講座の教材を公開しています。全20回の予定らしく、現時点では第12回までが公開されています。平易な英文で図版も多く、ソースコードも公開されていますから、これはマストハブですね。

この講座は9月下旬に始まったらしく(と言うことは、IAMASのiPhone勉強会のほうが5ヵ月ほど早い)、最初の頃はNDAの回避方法についても書かれています。そして、NDAが緩和されたので、一挙に一般公開ってことになったようです。他にも、いろいろと有益な開発情報があちこちで公開されていますので、NDA緩和の恩恵は大きいですね。大感謝!ですが、7月だったらもっと良かったのにね。

iPhone開発資料の日本語化

今日のiPhone Tech Talk World Tour – Japanに合わせたんだと思いますが、iPhoneのアプリケーション開発のドキュメントが日本語化されて公開されています。現時点では一部の翻訳に留まっているものの、斜め読みでも結構時間がかかりそうなほどの分量で、充実しています。

日本語ドキュメント(要ログイン)

Macに比べて、iPhoneは新しいプラットフォームということもあってか、もともと開発資料は充実していましたが、これが日本語化されたとなるとグッと敷居が低くなりますね。ただし、英語資料もそうですが、古い内容が残っていたり、より簡単(適切)な新しい方法があったりするので、そのあたりは要注意です。

iPhoneアプリの価格と販売数

先にポストしたように、Mac Fan 12月号の特集「非開発者向けiPhone SDK講座」がグッドなんですけど、ちょっと不可解な内容があったので、別ポストします。それは、4人の開発者へのインタビュー構成記事の中での、サン電子の方の「100円アプリはやめておいたほうがいい」という発言。

それぞれの人がそれぞれの立場で語られているので、その意見自体は尊重しますが、その理由としてアプリの販売数が「1日に10本ぐらいがいいとこ」なので、開発費の回収が難しいと言われているのが不可解です。私のアプリで最も売れていないのは「計算尺」ですが、それでも平均して1日10本以上売れてますからね。「計算尺」はオブソリートでアイロニカルなアプリなので、興味を持つ人は極少だと思います(だから、買った人はエライ!)。そんなアプリより売れないアプリって一体ナニ?って思うわけです。

この方の発言根拠が良く分からないものの、確かに価格と販売数のバランスは難しいですね。100円で10人も、1,000円で1人も、収入としては同じだけど、長期的にはどちらが有利になるのかは興味深いところ。iPhoneもApp Storeも、まだまだ黎明期なので、1年後にどうなるかを楽しみにしていましょう。それよりも、そんな暗中模索の今こそが面白い!ですよ。

少なくとも私は、MacやiPhoneを新規購入して労力を注ぎ込んでも、アッと言う間に元が取れると吹聴している楽観主義者です。別の音楽系雑誌の対談でも、豪華なクルマがすぐ買えるとか、イーノはバカバカしくってCDなんて作ってられないんだろうって話が出たくらい(これはいろいろと他の文脈もある話ですけどね)。もちろん、金銭的には何の保証もありませんが、行動する価値は間違いなくあります。