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Mac Fan 2008年12月号

Mac Fan誌の12月号が届きました。連載第2回目のメイン・テーマはキーボードで、Apple II、Mac、iPhoneと3つのキーボードを巡っての考察。iPhone関連のレクチャーでは時々引き合いに出すネタで、今回は時系列を追って丁寧に書いてみました。サブ・テーマは泣く子も笑う(?)セカイカメラのTC50顛末記。なんだか随分昔のことのように思えちゃいますけど、2ヵ月半程前のことなのですね。

同誌では、他にも岐阜おおがきビエンナーレのレポートを書いていたり、iPhone開発者としてのインタビューがあったりと、今回は登板回数が多いです。がんばって書いていますけど、闊達な文筆家ではないので結構大変です。お手柔らかにお願いしますよ〜(笑)>編集長さま

それから、今回の誌面で素晴らしかったのは「非開発者向けiPhone SDK講座」。開発を始めるにあたって必要となる事柄が、納税関係の手続きなどを含めて、要領良くまとめられています。この手のことは時々相談を受けるんだけど、一度済ませちゃえば忘れてしまうので、このような情報がきちんと整理されていることは有り難いです。

ちょっと不思議なのは、iPhone SDKそのもののには触れられていないこと。タイミング的にNDA緩和が具体化する以前だったから当然ですが、逆に言えば、次号から「iPhone SDK講座」が本格的にスタート、今回は開発準備に絞った承前的特集なんだろうな、と邪推します。楽しみ、楽しみ。

iPhone Standard Agreement 20081020

iPhoneアプリケーション開発に関わる誰もが待ちわびた新しいNDAが、本日届けられました。iPhone Dev Centerにログインしようとすると、新しいNDAへの合意が求められます。NDAの文書は数ヵ国語で書かれていて、日本語は29ページからです。日本語文章に多少難があるような気もしますが、契約文章としてはこんなものかもしれませんね。

それから、iPhone Dev Center内にはフォーラムも設けられています。メッセージの投稿があるとメールが届くように設定できるのですが、あれよあれよと言う間に数十通もメールが送られて来たので、さっさと中止しました(笑)。メールには投稿本文が含まれないし、RSSもない(よね?)ので、フォーラムの進行を追いかけるのが大変かも。

11/8は東京でiPhoneセミナー

MOSA主催の開発者向けのセミナー「MOSA Software Meeting 2008」が開催されます。赤松は11/8の午後にiPhoneのオーディオ処理についてのセッションを担当。他にも興味深いレクチャーがあって、濃厚な2日間になりそうです。それなりの参加費なので、どなたでもと言う訳にはまいりませんが、ご興味があれば是非どうぞ。

MOSA Software Meeting 2008
日時:2008年11月7日(金)〜11月8日(土)
会場:株式会社毎日コミュニケーションズ マイナビルーム

iPhoneアプリを毎日1つずつ

新しいNDAはまだ届いていない(よね?)からフライングっぽいですが、PDF版書籍だけでなく、オンライン上でのソースコード公開も始まっています。Apps Amuckなるサイトの31 Days of iPhone Appsもそのひとつで、毎日1つずつ、iPhoneアプリを制作して、ソースコードを公開する取り組み。現時点で13日目のようです。昔のiApp-a-Day!(30日で30個)を思い出しますね。

このサイトで制作されているiPhoneアプリは、単機能の簡単なサンプル・プログラムですが、ダウンロードしてすぐに試せるのがお手軽でイイですね。

11/7は大垣でiPhoneセミナー

11/7にソフトピア・ジャパンでiPhone関連セミナーを行います。IAMAS(赤松)、iPhonez(八尾CEO)、頓智・(井口CEO)による講演と、IAMASの小田さん(学科長、CG・アニメーション作家)を交えてのパネル・ディスカッションで構成され、その後に交流会もあります。参加費は無料ですが、事前申し込みが必要です。

「iPhoneビレッジから世界へ〜新しいモバイル・ライフとエンタープライズ~」

【詳細・参加申し込み】

日時:2008年11月7日(金)
   開場 13:30
   開講 14:30〜17:30
  交流会 18:00〜19:30

会場:ソフトピアジャパン センタービル セミナーホール 【地図】

 写真中央上部の角を生やしたみたいな建物がセンタービルです。

10/18-19は上海で演奏

10/18と19の両日、上海で開催されているShaghai eArts FestivalにてSnowflakes [Riverside]を上演します。これは数十台(たぶん)の来場者のiPhoneによって演奏される作品で、新しいかたちのオーディオ・ビジュアル・パフォーマンスを目指して制作しています。この期間に上海にいらっしゃる方は、ご来場いただければ幸いです。また、iPhoneを持ってパフォーマンスにご参加いただける方を募集していますので、参加可能な方はぜひお願いします。

Snowflakes [Riverside]

日時:2008年10月18日(土)19:30 – 23:00
   2008年10月19日(日)19:00 – 22:00
会場:Shaghai eArts Festival

 

The iPhone Developer’s Cookbook

DNA緩和(?)後は大騒動が予想されますが、その先陣を切ってErica Sadun女史の「The iPhone Developer’s Cookbook: Building Applications with the iPhone SDK」のPDF版が発売されました。Sample Contentsにずらずらと目次が掲載されているので、内容はおおよそ見当がつくでしょう。US$31.99ですが、Member Savingsがあって、US$22.39でした。

それは素晴らしい!んだけど、もう新しいNDAって届いているの?

PhoneFingerで指出現

画面キャプチャしちゃうとなんだかフツーですが、これはWonder Warp Software社のPhoneFingerでMaxを操作しているところ。実は、このアプリ、マウス・ポインタを実物大の指(手付属)にしちゃいます。本来は、iPhoneのGUIデザイン時に指の大きさが分かるようにするユーティリティですね。

iPhoneのスクリーンは解像度が高い(160dpi)ので、一般的なMacのスクリーンで作業すると、ついつい小さめのGUIを作っちゃうんですね。そんな時にPhoneFingerを使って、ちゃんと操作ができるか確かめましょう〜ってことのようです。だけど、それだけでは飽き足らず、指を押し付けたり、スクリーン上に指紋を付けたりする機能まであります。素晴らしい。

 

iPhone SDKのNDAが緩和?

AppleがiPhone SDK関連のNDA(守秘義務契約)を緩和すると発表していました。「リリースされたiPhoneソフトウェア」の範囲が不明じゃないですけど、現時点で言えば、iPhone OS 2.1に関する開発情報はOKで、iPhone OS 2.2はダメってことかな。詳しくは、1週間程後に送るとされている新しいNDAを待ちましょう。

AmazonなどではiPhoneの開発本が10月末あたりからリリース予定になっていたので、NDA解除は今秋か?と、まことしやかに噂されていましたね。それが現実になったようです。一部の人は事前情報を掴んでいたってことなら、それはヤな感じですけど。私は発表を見た時に、エプリル・フール(4月じゃないけど)かサイト乗っ取りかと思いましたよ。

Snowflakesについての駄文

来年早々(?)に出版されるContemporary Music ReviewのテーマはGenerative Musicだそうで、Artist Statementを求められて、ちょこっと文章を書きました。 それが今週末に行なうSnowflakesネタなので、来年まで待ってられないってことで、原文(日本語)を載せておこうと思います。

Statementになっていないじゃないか?という意見もあろうかと思いますが、制作進行の真っ只中に忘れていた原稿締切日がやってきたので(苦笑、しかも英訳しなければならない)、そんなこんなで〜という言い訳です。さらには、実際にはどうなるんだい?という疑問をお持ちの方は、9/27(土)のコンサートにお越し下さい。iPhoneオーナーのご参加も引き続き募集中ですので、こちらもよろしくお願いします。

Snowflakes

コンピュータは死んだ。少なくともデスクトップ・スタイルやラップトップ・スタイルのコンピュータは死んだ。かつて大型コンピュータのバッチ処理によってバイナリー列を計算して音楽を作り出していた(ありがとう!Max Mathewsら先駆者の皆さま)のが今日では信じられないように、やがてデスクトップやラップトップで作曲したり、演奏する人がいたことを不思議に思うだろう。

私は1999年に「incubator」と名付けたプロジェクトを行なった。この作品では、50台の初期iMac(CRTディスプレイ!)を会場の床面にグリッド上に配置し、それぞれをEthernetを用いて接続してローカル・エイア・ネットワークを形成した。iMacの内蔵マイクロフォンを入力として用い、内蔵ディスプレイと内蔵ステレオ・スピーカーが出力として用いた。つまり、このシステムは、50個の音声入力、50個の映像出力、そして100個の音声出力を備えていることになる。もちろん、iMacはCPUを備えているので、それぞれが独立して処理を行ない、Ethernetを通じて相互に情報を遣り取りすることができる。

http://www.iamas.ac.jp/~aka/incubator/

「incubator」の主要な狙いのひとつは、ネットワーク型の音楽を、目に見えて耳で聞こえる形態として、現実の姿として提示することにあった。大半のコンピュータ音楽は、孤高の作曲家、バーチュオーゾばりの演奏者、あるいはオーケストラの指揮者などのように、音楽の中心に音楽家個人を想定した中央集権的な音楽である。そこで、「incubator」では、自律分散的な処理と観客との相互作用によって、新しい形態の音楽の可能性を探ろうとしていた。

「incubator」から、およそ10年を経過した今日、コンピュータは進化し、掌に載るようになった。それはコンピュータとは呼ばれず、iPhoneと呼ばれる携帯電話として存在している。そこで私は、iPhoneを用いて「incubator」に似たネットワーク・システム型の作品を制作している。最初の作品は「Snowflakes」と名付けられており、Fredrik Olofsson氏と安田到氏とともに、2008年9月に大垣(日本)で、2008年10月に上海(中国)で上演されることになっている。

http://akamatsu.org/snowflakes/

「incubator」と比較して「Snowflakes」は、単純にはiMacをiPhoneに置き換え、EthernetをWi-Fiに置き換えたと考えれば良い。しかし、大きな違いは、観客はiPhoneを持って自由に参加し、移動し、立ち去ることができる点だ。しかも、iPhoneは我々が用意するのではなく、観客のポケットに入っているiPhoneを使わせていただくことを想定している。つまり、「incubator」は固定されたクローズド・システムであったが、「Snowflakes」はフレキシブルなオープン・システムになっている。この世界で何が起こるだろうか?

コンピュータやネットワークの形態によって音楽が変わるのだろうか? iMacからiPhoneへの形態の変化は明瞭だが、その違いは音楽に反映されるというのが私の意見だ。PAシステムやレコーディング・システムが登場した時に、どのように音楽が変化したのかを思い出そう。iPhoneもまた途中段階に過ぎない。やがて、指輪やネックレスのようなウェアラブル・コンピュータが現れるだろうし、やがてはコンピュータはインプラントされ、身体に溶け込むだろう。そのような世界を想定して、私は作品を構想したいと思っている。もはや、古びたコンピュータを使ってはならない。

(文責:赤松正行)