Others」カテゴリーアーカイブ

近頃のiTunes Store探偵団

先の記事のついでに余談ながら(って、すべて余談なんですけど)、iTunes Storeで「百人一首」を検索して見つかる曲(詠み上げ)がオカシイです。ほとんどが30数秒なので、下の句のリプライズが少々欠ける程度で、ほぼ全部聞けちゃうんですね。それに1曲150円での販売だから、律儀に全部購入すると15,000円ほどになります。もちろん、全曲入りのアルバムは1,200円とか1,500円ですから、何とも杓子定規な値段付けでございます。しかも、全99トラックのCDフォーマットを、そのままiTunes Storeに持ち込んでいるものもあって、頭悪過ぎ手抜き過ぎ。こんな会社に原盤権を握られている人は悲し過ぎます。なにはともあれ、デジタル音楽配信に対応しているだけでも素晴らしい〜〜なんて物分かりのいいこと思いませんよ。

itunes-store-hyakunin-issyu.jpg

さらに余談ながら、値段付けと言えばお騒がせRadioheadなんだけど、その「In Rainbows」がiTunes Storeに登場したものの、フツーに1曲150円、アルバム1,500円でした。RadioheadもAppleも腰砕け〜ですね。これを機会にAppleは新しいオプションを設けるべきでした。iTunes Plus(高音質、DRMフリー)であるのが、せめてもの救い。なにはともあれ、様々な購入方法から選べるのは素晴らしい〜なんて物分かりのいいこと言いませんよ。

2061のポッドキャスト

学生に教えてもらったのですが、「大著『2061:Maxオデッセイ』読みどころ解説」なるポッドキャストがありました。内容は聴いてもらう方が早いですね。突っ込みどころ、笑いどころを随所に散りばめながら、数分間飛ばしまくります。途中の闖入者もイイ味出してます。

cafe-wpao.png

う〜ん、こんなに面白い(しかも役に立つ)んだから、早く教えてよね>祐子さん。

Radioheadの新作ダウンロード

そうそう書き忘れていました(ってか、昨日のゼミで学生が話していて思い出した)、Radioheadが新作アルバム「In Rainbows」を昨日(日本だと今日?)から発売しています(そのハズ)。ユニークなのは、店頭などでのCD販売はナシで、ダウンロード販売のみ、しかも値段はリスナー(ダウンロードする人)が決めてね、というシステムね。

ダウンロード・サイトは現時点で全然繋がらないので(笑)、写真は12/3からUS$82で販売される予定の豪華特別ボックス・セットね。このパッケージには、ダウンロード版と同じCDとアナログ・レコードに加えて、ボーナス盤的なCDとレコード、デジタル・フォト、その他イロイロと入っているそうです。これも彼らのサイトからの直販のみらしいです。

radiohead-inrainbows.jpg

Radioheadは2003年以降、いわゆるレコード会社とは契約していないそうなので、虎視眈々とこの日を狙ってたんでしょうね。Princeのご乱行の時にも書いたけど、Radioheadもデジタル・コンテンツの特性を、きちんと実証しています。Princeは無料バラマキ作戦で、Radioheadは評価(あるいは賞賛)システムだけど、いずれにしても、デジタル・コンテンツそのものに価値はない、あるいはデジタル・コピー自体は本質的にタダってことです。

そして、ボックス・セットが示しているのは、アナログ・コピーにはプレミアムが必要ってことだけど、これは古典的な価値システムなので、分かり易いですよね。逆に言えば、単なる大量コピーであるフツーのCDは、これまた価値がないことを示している訳です。

古い体質のまま空回りし続ける著作権業界は、これまた古いメディア(CD/DVDとか放送とか)に依存できると思い込んでいるらしくて、未だに9回コピーとか10回コピーとか言ってますけどね。でも、誰も古いメディアを使わないんだから、足元にはもう波はありませんよ〜って人の心配しなくてもイイか(笑)。

ちなみに、経済には詳しくないけど、今の著作権業界って金本位制みたいな気がするな。しかも、業界には金準備がないから、幻想の金本位制だね。経済界では1971年に起こったドル・ショック(金本位制から変動為替相場制への移行)が、まだ起っていないってことは、この業界は30数年は遅れてるってことになります。

Mechanical overlay

昨年11月に話題になっていたみたいですが、最近気がつきました。AppleがMechanical Overlay (#20060256090)という特許を申請していたそうです。特許申請しても製品化されるとは限らない(むしろ少数)ですが、これ、実に欲しいです。

mechanical-overlay-1.jpg
mechanical-overlay-2.jpg

ポイントはメカニカルってことですね。LCD&タッチスパネルのようなバーチャルではなくって、実物であるキーボードやフェーダーなどのフィジカルな装置ということです。

楽器としてMacBookやiPhoneを考えた時に、画面を見なければ操作できないことが大きな欠点なのですよね。目で見なければ操作できない楽器なんて楽器じゃない、ってこと。これは、バーチャルなGUI全般の問題で、Lemurなども同様です。せめて、振動をキメ細かく制御できると可能性が広がりそうですけどね。

一方で、フィジカルなもの、リアルなものによって特定の目的に合致させることは、汎用的な自由度が減るってことになります。つまり、特定の用途には最適だけど、それ以外の用途にはダメダメになっちゃいます。これはユニバーサル・マシンたるコンピュータの特性の否定なので、これはこれで辛いわけです。

このような相反する条件の解決は、IAMASのプロジェクトなどでも結構研究しましたけど、なかなか妥協点は見い出せませんね。もちろん、素晴らしい解答があれば、こんな記事を書いている場合じゃなくって、事業化に忙しいでしょうけどね(笑)。

まぁ、MacBookやiPhoneは楽器じゃないのでお門違いの意見なんですが、この特許に見られるように、楽器のようなマシンがぜひぜひ欲しいです。バーチャルでユニバーサルなマシンではなく、リアルでスペシフィックなマシンへの移行は、今後重要なテーマになるハズね。iPhoneは、その第1歩なんだから、もうちょっとガンバって欲しいところ。

Create Digital Musicで紹介

Thank you for your precise review, Peter.
Create Digital Musicにaka.iphoneのレビューが載っていました。このレビューでは、aka.iphoneは何であって、何ができて、何はできないかが適切に説明されており、その意義や可能性についてもきちんと論評されています。特に、ソフトウェアの拡張性について述べた最後の段落は秀逸です。英文ですけど、読んでみてください。

akaiphone-cdm.jpg

ちなみに、姉妹サイトのCreate Digital Motionでも紹介されていて、自分で書いた記事以外では一番早いレポートだったようです。翻って考えてみると、この手の分野を包括的に追いかけている日本のサイトやメディアはないですよね(あれば教えてください)。このサイトも趣味性が強いというか、Max関連限定だしね(笑)。

Princeが新譜CDを無償配布

すでに各所で報じられてますけど、Princeが彼の新譜「Planet Earth」をイギリスの新聞Mail On Sundayの7月15日版のオマケにしちゃったそうな。さらには、UKツアーのチケットにも無料添付。それに怒ったレコード会社が一般リリースを取り止めたり、新聞社がチャート申請をしたりで、テンヤワンヤの大騒ぎみたいです。新聞の公称発行部数は300万部とかで、ミリオンセラーは当然として、一日の売り上げ(売ってないけど)としてもギネス級でしょう。

prince-free-cd.jpg

この件を、希代のナルシストが計算高く自己顕示欲を発揮したと見なしたり、暴れん坊王子が音楽のエコ・システムを破壊していると非難するのは簡単だよね。だけど、実際には近未来を明確に照射してるんじゃないかな? つまり、デジタル・コンテンツには価値がない、あるいは、デジタル・コンテンツによって対価を得ることはできない、ってことね。

デジタル・コンテンツは劣化なしに複製されるのが本性だから、コピーの価値は限りなくゼロなんだよね。それをパッケージだとか流通だとかDRMとかでダマしていたのが、これまでのコンテンツ・ビジネスだったわけ。でも、そんな妄言は早晩誰にも通用しなくなるのが当然。じゃ、どうするの?さっさと考えないと全てが崩壊しちゃうよってのが、今回の騒動から読み取るべきことなんじゃないかな?(なのにコピーは9回まで、とか意味不明。ゼロか無限かしか有り得ないのにね。)

続・Max5の新機能?

その後もML等でリークが続いているので、さらに意訳しておきます。信憑性は?ですよ。ドサクサに紛れて、変なことを言っている人もいるかもしれませんからね。あくまで、噂話として楽しむのがいいんじゃないかと思います。

・poly~が新たにパラレル・モードを備え、マルチ・プロセッサ処理に対応する。
・パッチのズーム・イン、ズーム・アウトが可能になる。
・MaxにWebブラウザが内蔵される。
・ファイル・ブラウザは優れたサーチ機能を持つ。パス内のファイルはデータベースに登録される。
・すべてのオブジェクトに新しいインスペクタが備わる。アトリビュートも設定可能。
・Reaktorのようなパフォーマンス・ビューを持つ。選択したオブジェクトだけが表示される。
・JSUIを透明にすることができる。
・新しく自動デバッグ、オプティマイズ、クラッシュ回避のボタンが備わる。
・マルチ・アンドゥが可能になる。
・オブジェクトやメッセージやナンバー・ボックスを作るキーボード・ショートカットが使える。

てなとこで、エプリル・フール記事にどれくらい近づくのかも興味津々。

graffiti.jpg
本題とは関係ないけど、P.S.1近くのグラフィティ満載ビル

Max5の新機能?

先週のNIME07の開催中に、どこかのカフェか何かでMax5のプライベート・デモがあったみたいです。Cycling ’74関係者がちょこっと見せた程度だと思うのですが、ブログやMLで大騒ぎ(?)になっています。私もNIME07に参加していたんだけど、チャンスを逃してしまいました(涙)。

nime07-nyu.jpg
NIME07のメイン会場、ニューヨーク大学のTISCH HALL

それで、錯綜する情報(明らかにデマだろうというのもアリ)の中から、信頼できそうなRandy Jones氏のメッセージを適当に意訳してみます。まだ、ベータ・テストも始まっていない状況ですから、眉に唾をつけて読んでください。

・アンチ・エイリアス付きで解像度に依存しない、新しいクロス・プラットフォームのパッチ作成環境を持つ。視認性を高めるように再デザインされた。
・インレットはホット(活性)とクール(非活性)との視覚的な区別が付く。どのインレットが出力を引き起こしているかが判別できる。
・開発時と実行時など、状況に応じて異なるように設定できる複数のビュー・モードを持つ。従来のオブジェクトの表示・非表示やリサイズ・移動なども含まれる。
・オブジェクト名、オート・コンプリート、オート・クリーン、オート・コネクトなどのパッチ作成のための補助機能を備える。
・デバッグ(トレース)機能が改良され、見え方も良くなる。
・スーパー・クールで多目的に使えるTime Machineのような(timelineを置き換える)機能を持つ。
・クロス・プラットフォームのメディア・ブラウザを備える。MaxをFinderのように使える。

ってなとこですかね。楽しみ、楽しみ…って、2061:Maxオデッセイはどうしたらいいんだろう?(笑)