iPhone SDKのNDAが緩和?

AppleがiPhone SDK関連のNDA(守秘義務契約)を緩和すると発表していました。「リリースされたiPhoneソフトウェア」の範囲が不明じゃないですけど、現時点で言えば、iPhone OS 2.1に関する開発情報はOKで、iPhone OS 2.2はダメってことかな。詳しくは、1週間程後に送るとされている新しいNDAを待ちましょう。

AmazonなどではiPhoneの開発本が10月末あたりからリリース予定になっていたので、NDA解除は今秋か?と、まことしやかに噂されていましたね。それが現実になったようです。一部の人は事前情報を掴んでいたってことなら、それはヤな感じですけど。私は発表を見た時に、エプリル・フール(4月じゃないけど)かサイト乗っ取りかと思いましたよ。

Mac Fanで連載開始

IAMASを取材していただいた頃から、編集長に何かとお世話になっていたのですが、とうとう(?)Mac Fan誌で連載をさせていただくことになりました。タイトルは「aのかたち」、サブタイトルは「Apple、またの名をアート」、英語表記は「Apple a.k.a. Art」となっております。第1回目が掲載された11月号は、ただ今発売中です。ご高覧いただければ幸いに存じます。

Snowflakesについての駄文

来年早々(?)に出版されるContemporary Music ReviewのテーマはGenerative Musicだそうで、Artist Statementを求められて、ちょこっと文章を書きました。 それが今週末に行なうSnowflakesネタなので、来年まで待ってられないってことで、原文(日本語)を載せておこうと思います。

Statementになっていないじゃないか?という意見もあろうかと思いますが、制作進行の真っ只中に忘れていた原稿締切日がやってきたので(苦笑、しかも英訳しなければならない)、そんなこんなで〜という言い訳です。さらには、実際にはどうなるんだい?という疑問をお持ちの方は、9/27(土)のコンサートにお越し下さい。iPhoneオーナーのご参加も引き続き募集中ですので、こちらもよろしくお願いします。

Snowflakes

コンピュータは死んだ。少なくともデスクトップ・スタイルやラップトップ・スタイルのコンピュータは死んだ。かつて大型コンピュータのバッチ処理によってバイナリー列を計算して音楽を作り出していた(ありがとう!Max Mathewsら先駆者の皆さま)のが今日では信じられないように、やがてデスクトップやラップトップで作曲したり、演奏する人がいたことを不思議に思うだろう。

私は1999年に「incubator」と名付けたプロジェクトを行なった。この作品では、50台の初期iMac(CRTディスプレイ!)を会場の床面にグリッド上に配置し、それぞれをEthernetを用いて接続してローカル・エイア・ネットワークを形成した。iMacの内蔵マイクロフォンを入力として用い、内蔵ディスプレイと内蔵ステレオ・スピーカーが出力として用いた。つまり、このシステムは、50個の音声入力、50個の映像出力、そして100個の音声出力を備えていることになる。もちろん、iMacはCPUを備えているので、それぞれが独立して処理を行ない、Ethernetを通じて相互に情報を遣り取りすることができる。

http://www.iamas.ac.jp/~aka/incubator/

「incubator」の主要な狙いのひとつは、ネットワーク型の音楽を、目に見えて耳で聞こえる形態として、現実の姿として提示することにあった。大半のコンピュータ音楽は、孤高の作曲家、バーチュオーゾばりの演奏者、あるいはオーケストラの指揮者などのように、音楽の中心に音楽家個人を想定した中央集権的な音楽である。そこで、「incubator」では、自律分散的な処理と観客との相互作用によって、新しい形態の音楽の可能性を探ろうとしていた。

「incubator」から、およそ10年を経過した今日、コンピュータは進化し、掌に載るようになった。それはコンピュータとは呼ばれず、iPhoneと呼ばれる携帯電話として存在している。そこで私は、iPhoneを用いて「incubator」に似たネットワーク・システム型の作品を制作している。最初の作品は「Snowflakes」と名付けられており、Fredrik Olofsson氏と安田到氏とともに、2008年9月に大垣(日本)で、2008年10月に上海(中国)で上演されることになっている。

http://akamatsu.org/snowflakes/

「incubator」と比較して「Snowflakes」は、単純にはiMacをiPhoneに置き換え、EthernetをWi-Fiに置き換えたと考えれば良い。しかし、大きな違いは、観客はiPhoneを持って自由に参加し、移動し、立ち去ることができる点だ。しかも、iPhoneは我々が用意するのではなく、観客のポケットに入っているiPhoneを使わせていただくことを想定している。つまり、「incubator」は固定されたクローズド・システムであったが、「Snowflakes」はフレキシブルなオープン・システムになっている。この世界で何が起こるだろうか?

コンピュータやネットワークの形態によって音楽が変わるのだろうか? iMacからiPhoneへの形態の変化は明瞭だが、その違いは音楽に反映されるというのが私の意見だ。PAシステムやレコーディング・システムが登場した時に、どのように音楽が変化したのかを思い出そう。iPhoneもまた途中段階に過ぎない。やがて、指輪やネックレスのようなウェアラブル・コンピュータが現れるだろうし、やがてはコンピュータはインプラントされ、身体に溶け込むだろう。そのような世界を想定して、私は作品を構想したいと思っている。もはや、古びたコンピュータを使ってはならない。

(文責:赤松正行)

 

iPhone開発で学位取得?

イギリスはロンドンのQantm Collegeが、iPhone Developmentのコースを新設するそうです。現時点では、同校のWebサイトに詳しい情報がないのですが、iPhone Alleyなどによれば、2009年2月から夕方と週末に開講され、学費は3,950ポンド(約77万円、年額?)とか。これで学位(Diploma)も取れるんだったら、ちょっと面白いですね。

NDA縛りがあるので、iPhoneアプリケーションの開発そのものを対象とした公開レクチャー等はできないので、今後はこのような学校が増えてくるかもしれませんね。国内ならIAMASですよ〜と便乗宣伝しておきます(笑)。

【追記】ほぼ同時期(9/25)にAppleがiPhone Developer University Programを発表していました。現時点では、USの高等教育機関限定とのことなので、上記ロンドンの件は直接関係ないようですが、いずれワールドワイドに展開されると期待したいところ。

9/27は大垣で演奏

岐阜大垣ビエンナーレの一環として行なわれるサウンド・イベントIAMASONIC2008にて、iPhoneを用いたSnowflakes [Prototype]を上演します。

と言っても、単純にiPhoneを使って演奏しますってことではなく、iPhoneを持って来場される皆様のご参加をいただき、何十台(将来的には何百台)ものiPhoneによって形成するローカル・エリア・ネットワークとしてオーディオ・ビジュアル・パフォーマンスを行なうという趣向です。かつて、50台のiMac+Ethernetによって実現した「incubator」のモバイル+Wi-Fi版ですね。

来場者のiPhoneには、この作品のために制作している特別なアプリケーションをインストールしますので、事前にiPhoneのUDIDを登録していただく必要あります。そこで、当日iPhoneを持ってご来場いただける方は、UDIDの登録方法に従って、UDIDをお知らせいただければ大変有り難いです。

これまでにない新しい体験と感動を作り出すべく、チーム・メンバーはSnowflakes [Prototype]を鋭意制作中です。iPhoneユーザの皆さまのご協力&ご参加をいただけますよう、ご案内&お願い申し上げます。

Snowflakes [Prototype]

Masayuki Akamatsu + Fredrik Olofsson + Itaru Yasuda

岐阜おおがきビエンナーレ IAMASONIC2008
日時:2008年9月27日(土)18:00~20:30
会場:大垣市多目的交流イベントハウス

 

9/19-28は岐阜おおがきビエンナーレ

今月後半に、2年に1度のアート・フェスティバル「岐阜おおがきビエンナーレ」が開催されます。展示、コンサート、ワークショップ、シンポジウムなど面白そうなイベントが目白押し。是非お越し下さいませ〜。

岐阜おおがきビエンナーレ

会期 2008年9月19日(金)〜28日(日) 10日間
会場 大垣市内各所 
   大垣市多目的交流イベントハウス/武徳殿/竹島会館/高屋町地下道
スイトピアセンター/商店街ほか
入場無料 

10/12はIAMAS入試

もうすぐ、私が担当するDSPコースを含むIAMASの入学試験が行なわれます。どこか学校で学びたいと思っている人で、このサイトをチェックしている人なら、十分に潜在資格があると思いますよ。今回はアカデミーのAO入試(作品と面接が中心)と推薦入試(県内高卒者のみ)です。

詳しくは、IAMASのWebサイトの学生募集を見てください。なんだけど、あまり詳しいことは書いてないので(苦笑)、募集要項(願書も入ってます)を請求してもらうのが良いと思います。ちなみに、12月には一般入試(筆記試験が中心)があるので、もう一度機会がありますけどね。

DSPコースってどんなとこ?って人は、DSPコース・サイトを見てください。なんとなく雰囲気が伝わるかな。これまでもそうだったんですが、面白い人、変な人にトライしていただければウレシイでございます。

国際情報科学芸術アカデミー(IAMAS)AO入試/推薦入試
出願期間  2008年9月26日(金)〜10月1日(水)
選抜試験日 2008年10月12日(日)

 

….と、以上は昨年のお知らせのコピペ&日付などのアップデートなのですが、今年は個人的にはiPhoneなどのモバイルに興味を持っている人にチャレンジして欲しいなって思います。もちろんそれ以外にも、DSPコースはインタラクション、サウンド、ビジアル、デバイス、ネットワークといった領域でのエキスパート・スタッフが揃っていますので、そちら方面もウェルカムです。経験の有無だけでなく、それ以上にアイディアと熱意が大切だと思うよ。

風船とバナナ

TechCrunch50で発表したセカイカメラは、ビックリするくらいの反響がありました。だけど、意外と取り上げられなかったので(涙)、自分で紹介するのが、商談(?)ブースのディスプレイ。

10個のヘリウム風船で浮かんでいるのが頓智・のプレート。これはご想像のように、現実世界に貼付けられたタグね。そして、裾野に積み上げられたのがバナナ。セカイカメラのプレゼンでウケた進化図のように、私たちはまだお猿さん段階にあるってこと。さらにはセカイカメラを提唱しているのがイエロー・モンキー(バンドじゃなくって、蔑称のほうね)ってことね。

このバナナは、話に来ていただいた人に差し上げていたんだけど、勝手に持って行く人もいて、そんな輩こそお猿さんだよ〜って思うよね。てな具合で、あれこれ隠喩と寓意を散りばめた頓智・でした。

サンフランシスコでディナー

サンフランシスコはCycling ’74の本拠地というワケで、Les Stuck氏やJoshua Kit Clayton氏と食事をする機会がありました。Les(写真右)は、MSPのサンプル・パッチなどの作者で、コンテンポラリー・ダンスの音楽作品を作っている人、Joshua(写真左)は、Jitterのメイン開発者にしてエレクトロニカ系の音楽でも有名ですね。ボスであるDavid Zicarelli氏は調査旅行中だったとかで会えませんでした。

さすがに彼らはジモティなので、観光マップには載っていないナイスな場所を案内してくれます。Lesのチョイスはオーガニックな不思議レストラン、Joshuaのチョイスはカルフォルニア・クィジーンのワイン・バーでした。

気になるMax情報については、あまり書くことができません(残念!)。が、来年夏に3日間くらいのMax Conferenceをサンフランシスコ周辺で開催するそうですよ。日本からも何か面白い発表をするとイイんじゃないでしょうか。Jitter 2.0も準備中とか。

iPodにスピーカー

サンフランシスコのAppleStoreで、新登場のiPod touchやnanoを見てきました。発表後2〜3日経ったせいか、展示エリアは大混雑という程ではなかったけど、レジ行列はすごくって、20〜30分待つ必要があるみたいでした。日本でももう展示されてるのかな?

nanoは小さくて薄くて、高精細なディスプレイにうっとり(LEDフェチ)。ぜんぜん必要ないんだけど、全色揃えたくなる美しさ。

iPod touchは完全にゲーム機として再定義された印象。Nintendo DSキラーですね。ここで重要なのはiPodにスピーカーが搭載されたこと。Walkman以来失われた機能の復権です。個人的に初代iPhoneで感激したこと(そして初代iPod touchに興味を持てなかったこと)は、スピーカーでした。ショボいスピーカーであっても、それがアルとナイとでは雲泥の差です。デバイスはますますセンソリー(感覚的)になり、人に溶け込んでいくから、ね。