ofxiPhone

ドタバタで先送りにしていたofxiPhoneをインストールしてみました。メディア・アートのビジュアル系(笑)として、Processingに続くopenFrameworksのiPhone版ですね。生粋のObjective-C派はイヤがるでしょうけど、C++派で手軽にグラフィッカーになりたい人には良いかも。

ofxiphone graphics example

このofxiPhoneはココからダウンロードするだけ。pre released v0.06のiphone:x-code / iphone sdkってとこね。appsのexamplesに3つほどサンプルが入っています。最新版はsvnしてください。

ライブラリ自体はソース・コード提供&相対パス指定なので、フォルダ階層を変えないのが無難。OfxiPhone comprehensive guideは必読ね。

Programming for non-programmers

イーノみたいなタイトルだけど、「iPhone SDKの教科書」は、非プログラマのためのプログラミング、あるいは、非CocoaプログラマのためのCocoaプログラミングの本です。私自身が非プログラマにして非Cocoaプログラマだったしね。PCは電源の入れ方も分からない(つまり、Macオンリー)と公言しているので、Cocoaプログラミングの経験が長いように思われがちだけど、そんなことはありません。

snappy-xcode

正確には「Cocoa+Java」って本を出した2001年頃以降はCocoa使用経験ゼロです。何故って、デスクトップ・アプリケーションとしての作品は作らないからね。ここ何年かは「コンピュータは死んだ」と主張していて、少なくとも表現の媒体やフロントエンドとしてのデスクトップは完全に色褪せているわけです(ラップトップも同じこと)。

だから、Cocoaは忘却の彼方だし、Objective-Cは皆目分からんってのが以前の私。だけど、最初のiPhoneアプリ開発は2週間もかからなかったと思う。正式なSDKがない頃で、ドキュメントも皆無に近い状況を考えれば、なかなか優秀ですね(自画自賛)。ただ、これにはワケがあって、Cocoa Touchがエレガントであることと、CとSmalltalkの使用経験があったことに助けられている。OOPSって仕組みさえ理解すれば、後は調べればいい(調べるしかない)ですからね。

そんなラッキーもあって、iPhoneアプリ開発は異様に簡単だと思いがちだけど、プログラミングが初めての人にとっては敷居が高いことには変わりない。一方で、プログラミング経験のある人にとっては、新しいAPIや言語に取り組むことは大きな問題にならない。というのが1年ほどiPhoneスタディ・グループを主催しての実感で、それが「iPhone SDKの教科書」の通奏低音になっている。すなわち、敷居を下げることと慣れること、ね。

一方、非プログラマにとって「iPhone SDKの教科書」の次に必要なのはアルゴリズム考案力なんだけど、これは結構難しい。アルゴリズムは解決すべき問題ありきなので、どうしても個別対応になっちゃう。事例紹介ばかりだと汎用性に欠けるし、一般的なアルゴリズムは抽象的になりがちで面白くない。何か良い書籍等があれば教えてくださいませ。

iPhone SDKの教科書はどこにある?

普段はAmazonでしか書籍を買わないんですけど、そのAmazonでは「iPhone SDKの教科書」が入手できない状態が続いていますね。しかも、本体価格2,800円に対して4,000円以上の中古商品・コレクター商品がゾロゾロとあります。

high-priced

随分以前に「トランスMaxエクスプレス」が絶版状態になって、4〜5倍もの高値がついたり、違法フル・コピーが売られたりしたことがありましたが、新刊書籍が中古レアもの扱いになるのはダメですよね。周辺業者が商魂逞しいと言うより、出版社の配本判断がお馬鹿さん過ぎです。

だけど、インターネット書店一括検索で調べてみると、3サイトは在庫無しで4サイトは在庫有りでした。オフライン書店は調べにくいけど、ジュンク堂書店の池袋本店は7冊在庫有りです。

Amazonにあらずんば本にあらず、とまでは言いませんけど、流通革命とかIT革命とか、いつの時代の話だったんでしょうね。この出版社って「IT・ビジネス出版社」ってうたってるものの、ぜんぜんインフォメーション・テクノロジーっぽくないです。

【追記】1日後に調べるとジュンク堂の在庫が8冊に増えていました。なぜ増えるのかが不思議ですね。それはともかくとしても、オフライン書店から引き上げてオンライン書店に回すべきじゃない? 営業と流通は何をしてるんだろう? 脳梗塞&動脈硬化じゃないよね?

日英仏iPhoneアート・アライアンス

昨日はエプリル・フールをものともせず、アート談義に花が咲く一日でした。まずは、ロンドンからCentral Saint Martins大学のPeter Cornwellさんがパリにいらして、巨大LEDディスプレイ・システムのミーティング。昨年末からCSM大学、Princeton大学、IAMASと三校での共同プロジェクトが始まっています。ここで巨大ディスプレイとiPhone(セカイカメラ?)を組み合わせることを提案。パーソナルとソーシャルとパブリックの融合じゃ!などと説明したところ、結構気に入ってもらえた様子。iPhone関連以外の制作ができるほど暇人じゃないので、半ば無理矢理にでもプロジェクトをiPhone化ね。

夕方はJean-Lui Boissierさんを訪ねて、École nationale supérieure des arts décoratifs(何て発音すれば良いのだ?)という学校へ。建物自体はルイ14世の時代に建てられ、内装はPhilippe Starck氏(この学校の教員でもある)の手によるそうです。ボアシエさんはパリ第8大学とは別に、この学校ではモビリティ研究会を主催して、数人の学生とともにiPhoneによるアート表現を模索しているとのこと。App Storeでのリリースは決めかねているそうですが、すでに数個のアプリケーションが稼働しています。いかにもボアシエさんらしいものや、学生のキュートなものもあります。

そんなこんなで、今後もイギリスともフランスとも共同プロジェクトや情報交換が続いていきます。メディア・アートをめぐる状況、iPhoneをアート・プラットフォームとして扱う是非、作家とApple/App Storeと観衆(ユーザ)との関係などなど、共通する問題意識も多く、有意義な意見交換でした。

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3/31はパリで発表

明日からMarketing 2.0というカンファレンスに参加します。我々、頓智・のセカイカメラは3/31の午後に発表の予定。iPhone版も強力になりつつありますが、これまでちょい見世だったAndroid版とのダブル・アクションがハイライトになりそう。全体のスケジュールはこちら

marketing20conference2009

Marketing 2.0 Conference
March 30-31, 2009
ESCP-EAP University, Paris France

The first tag in Paris

香港から日本に戻ったものの、半日程滞在しただけで、今度はパリに来ています。日本も寒いけど、パリも寒いです。でも、空気は冷たくても、今日は晴れていていい感じ。

first-tag-in-paris

そう言えば、Last Tango in Parisってのもあったよね。ぜんぜん関係ないけど(笑)。

2009年香港の旅

香港写真を見た方から「2001年宇宙の旅」みたいと言われました。滞在していた&展覧会とパフォーマンスの会場であったホテルLe Meridien Cyberportは随所に2001年っぽさが散りばめられていますね。残念ながらロビーのソファは映画で使われたOlivier Mourgue氏のDjinn chairじゃないですけど、雰囲気はよく似ています。

さらには、エレベータ・ホールの壁が円型の椅子?になっていて、これはエアリーズ号の通路をモチーフにしたんじゃないかな。スッチー(死語)が食事のトレイを持って180度歩いて回転するところね。下部に私のサインがあります。宿泊した著名人にサインを求めているそうですけど、私ごときが恐縮です。

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ちなみに、このホテルがあるCyberportという新開発地区自体がSF映画のセットをそのまま持ってきたような近未来感覚に溢れるところで、微妙におかしいです。昼間は賑やかですけど、人通りが絶えて異次元っぽさが堪能できる夜がオススメね。ちょっと怖いです(笑)。

疑似iPhone

香港最大の電脳街、深水歩ではエセiPhoneがたくさんあります。テレビやラジオも視聴できるそうです。半分サイズのiPhone miniとかには相当心惹かれましたけど、さすがに買うのは止めました。著作権関連の仕事をしている人間としては、それはダメでしょう〜ってことですね。

fake-iphone

iPhone SDKの教科書で考えたこと

「iPhone SDKの教科書」の売れ行きは好調のようで(?)、すでに何人かの方から感想をいただいたり、ブログなどで紹介していただいたりしています(ありがとうございます!)。手の内を明かすといったことではないのですが、この書籍で目指したことを書いておきますね。箇条書きにすると、こんな感じ。

  • 初心者が独習できる。
  • 思考と作り方を学べる。
  • 楽しくてカッコ良い。
  • コードは極力少なく。
  • 知識を羅列せず関連付ける。
  • できるだけ自己完結させる。

counter-sketch

すでに読まれた方は気が付かれたと思いますが、この書籍は一般的なプログラミング解説書とは雰囲気が違います。旅行に喩えると、ありがちな解説書が名所案内だとすれば、こちらは旅行記に近いのかもね。これまで一行もコードを書いたことがない人が、曲がりなりにでもアプリケーションの制作過程を追体験できるように考えたわけです。つまり、初心者〜中級者が対象であって、すでに制作経験が豊かな人には無用の本です(きっぱり)。

追体験したいと思っていただくためには、制作するアプリケーション自体が魅力的でなくっちゃね。少なくとも無味乾燥なサンプルや、説明のためだけのコードはダメでしょ。さらには、説明が長くなると飽きちゃう。そこで、エッセンスを凝縮した題材を用意して、グラフィックス・デザインとサウンド・デザインの専門家にも協力していただいて、スマッシュ・ヒットなサンプルを都合6個用意した次第。

そのようなサンプルの制作顛末記が本書の後半(カウンター以降)ね。そして、本書の後半を理解するための基礎知識が前半部分です。はじめにサンプルありきの逆算的な基礎知識なので、ぜんぜん網羅的ではありません。だけど、一刻も早くアプリケーションを作りたいのに、前提となる長話で日が暮れてしまうのはイヤですよね。だから、iPhone OSのすべては理解できないけど(そんなの無理無理、私もできていない!)、本書の範囲内では過不足のない説明を心がけています。

つまるところ、鬼の一念で何とかプリケーションを作りたいと願う人に向けて書きました。しかもiPhone用のアプリケーションだから、視覚的にも聴覚的にも操作的にも納得できる水準をクリアしたい。そもそも話としても、iPhoneをどのように使い、何を実現したいかというアイディアが大事だし、そのアイディアを現実化する過程を重視したい。そんなこんなで、ちょっと風変わりな「教科書」になったわけです。まぁ、理想と現実は違っているかもしれませんので、お気付きの点がありましたら、お知らせいただけると幸いです。