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Max5日本語版リリース!

昨日、イーフロンティアさんから告知がありました。待ちに待った「Max/MSP 5」と「Max/MSP 5 + Jitter」の 日本語対応版が11/28にリリースされるそうです。既にイーフロンティア版のMaxを購入されている方には、無償アップデータが提供されるとのこと。

これまでも部分的な日本語化の試みはありましたが、今回は、メニュー、ウィンドウ、ヘルプ、ドキュメントと完全日本語化と言っても良さそうなレベルみたいです。その作業は想像するだけで滅入っちゃいそうですが、そんな労作を楽しみに待ちたいと思います。

サンフランシスコでディナー

サンフランシスコはCycling ’74の本拠地というワケで、Les Stuck氏やJoshua Kit Clayton氏と食事をする機会がありました。Les(写真右)は、MSPのサンプル・パッチなどの作者で、コンテンポラリー・ダンスの音楽作品を作っている人、Joshua(写真左)は、Jitterのメイン開発者にしてエレクトロニカ系の音楽でも有名ですね。ボスであるDavid Zicarelli氏は調査旅行中だったとかで会えませんでした。

さすがに彼らはジモティなので、観光マップには載っていないナイスな場所を案内してくれます。Lesのチョイスはオーガニックな不思議レストラン、Joshuaのチョイスはカルフォルニア・クィジーンのワイン・バーでした。

気になるMax情報については、あまり書くことができません(残念!)。が、来年夏に3日間くらいのMax Conferenceをサンフランシスコ周辺で開催するそうですよ。日本からも何か面白い発表をするとイイんじゃないでしょうか。Jitter 2.0も準備中とか。

サブ・フォルダへのアクセス

少し前に尋ねられた知人クエストは、パッチ・ファイルと同じ階層にフォルダがあって、そのフォルダにあるファイルを取得するには、どうすれば良いか?でした。

私がよく使う方法は、thispatcherにpathメッセージを送って、第2アウトレットから得られるパッチのパスを利用します。次のパッチでは、Moviesというサブ・フォルダがあるとして、そのフォルダに含まれるムービー・ファイルの名前をポップアップ・メニューに設定しています。

これらのファイルを開きたい場合には、サブ・フォルダのパスからファイルのパスを組み立ててもいいし、サブ・フォルダのパスをfilepath search 0あたりに設定しちゃうのもいいかも。

ヴェーバー=フェヒナーの法則

久々の学生クエストは(勝手に翻案すると、例えば)テルミンのようなデバイスがあって、直線的に変化するセンシング値で音のピッチをコントロールするにはどうするか?でした。手とアンテナとの距離が0.0から1.0まで変化するとして、それをMIDIノート・ナンバーでの0から127に対応するような周波数を得たいわけです。

そいつぁ、mtofでしょ!?ってことなんだけど、Maxが利用できるなら誰も苦労しない。Maxが使えない場合にどうするか?です。アドバイスとしては、ヴェーバー=フェヒナーの法則を調べろ、係数はmtofから抜き出せ、ってことでした。ハイ、以下、解答。完全には値が一致しないのは演算誤差だと思う。

落ちこぼれとは言え、かつては心理学学徒だったので、さすがにヴェーバーやフェヒナーは頭に残っています。これに限らず、インタラクティブな作品制作では心理学と関連することが多いんだけど、まぁ、当然ですかね。(頭に残っているから関連付けているとも言えるワケだけどね。)

Andreas Weixler & Se-Lien Chuang

オーストリアのリンツからAndreas WeixlerさんとSe-Lien Chuangさんの2人組が、1ヵ月間の予定でIAMASにVisiting Researcherとして滞在されています。一昨日は、彼らのプレゼンテーション、デモ・パフォーマンス、そしてウェルカム・パーティがありました。

彼らの作品は、Max/MSP/Jitterを使ったオーディオ・ビュジュアル・パフォーマンスで、即興的な要素も多く含んでいて、アコーティック楽器の演奏を元にプロセッシングしていくスタイルですね。上の写真では写っていないですが、別にビジュアライザー的なプロジェクション映像があります。

ひとつのシステムを改良しながら発展応用しているそうで、スタイルとしては古典的ですが、石の上にも三年(どころか数年?)的なことろは、ちょっと感心しちゃいます。

Max5→Max4のパッチ・コンバータ

Max4のパッチは、そのままMax5で開くことができるけど、その逆はできません。ダウングレードできるほうがマッチ・ベターとは言え、過渡期的な問題なので仕方がないかなと思っていました。ところが、Max5からMax4へのパッチ・コンバータをFredrikが作っていました。先の記事のFredrikと同一人物です。AIRの仕事・作品ってことじゃないとは思いますが。

ただし、皮肉っぽく(?)コンバータ自体はSuperColliderコードで作られています。つまり、Maxパッチを処理するために、SuperColliderをインストールして起動しなければならないワケですね。彼のSCページにあるMaxPatがソレです。

FredrikはMaxのオブジェクトなどもガンガン書いている人だから、コンバータをMaxパッチあるいはオブジェクトとして書いても良さそうだけどね〜ブラック・ジョークの類いなんでしょうか? 今度尋ねておきますね。

【追記】本人に尋ねたところ、やはり(!)MaxユーザをSuperColliderに仕向ける作戦だそうです(笑)。ただ、これによって、ファイルに保存されたMaxパッチをパースし、組み替えることができるので、いろいろと発展させようってことで盛り上がりました。例えば、2つのパッチを交配させるジェネティック・プログラミングができるよね。

Max5大作戦、超満員御礼

一昨日のMax5大作戦はトラブルなく無事終了しました。ご来場いただいた皆さま、本当にありがとうございました!ズーパな運営&出演の皆さんもお疲れさまでした〜。

強い雨が降り続き、集客が危ぶまれていたものの、AppleStore様の話では推定入場者数は200人以上とのことで、大盛況でございました。悪天候も何のその、有り難いことです。感謝申し上げます。一方で、開演から終演まで、文字通り立錐の余地もない状態が続き、エレベータから出ることができなかった人が続出していたようです。申し訳ありません。

イベント内容と言えば、素晴らしいライブ&プレゼンばかりで、傍で見ながら(聴きながら)、それぞれクオリティが高いなぁと感心していました。後で感想を聞いたところでは、YukaRittyがオジサマ人気を集めていたのは特殊事情(笑)として、興味を引いた出演者が人によって異なっていた(=偏りがなかった)のが印象的でした。バラエティが豊かだったんでしょうね。


(撮影:北村穣)

もっと突っ込んだことも話して欲しかったとか、作品の詳しい説明が事前にあれば良かったとか、といったご意見もいただきました。ただ、正反対の意見もいただいたので、限られた時間で対象者を限定しにくいイベントの難しいところです。でも、さらに改善できる点もあると思いますので、精進して参ります。

ところで、イーフロンティア様からご提供いただいたグッズ&プロダクツの数々に当選された方は、いかがだったでしょうか? ン万円の市販品はもちろんのこと、ハデハデなストラップやシブいボールペンなどの販促レアものも良かったと思います。実は主催者特権で自分の分を確保しようと企んでいたのですが、準備の忙しさでスッカリ忘れていました。残念(笑)。

さらには、AppleStore様から、特製トートバックを来場者全員に「もれなく」プレゼントいただいたのは、ちょっと嬉しいサプライズでしたね。ナチュラルな肌差触りの布製で、一方には小さなAppleマーク、他方にはカラフルなiPod&ミュージックのタイポグラフィという素敵なデザインで、収納力たっぷり、機能性もバッチリな限定非売品です。こちらは、出演者&スタッフにもいただけたので、良いお土産になりました。

今後は7月9月とモチーフを変えて「IAMASイキマス、DSPでBANG! 2008」を開催していきますので、引き続き、よろしくお願いします!ね。

Max5大作戦&プレゼント

以前に概要をお知らせしましたアップルストア銀座でのイベントは、いよいよ今週末(来週頭?)の6/22、日曜日です。イベントの内容をコチラに掲載しています。皆さま、お誘い合わせの上、お越しいただければ幸いです。

IAMASイキマス、DSPでBANG! 2008
連続レクチャー&プレゼンテーション@アップルストア銀座
#1 Max5大作戦
日時:2008年6月22日(日)16:00~18:00
出演:赤松正行、plamo、ナカザトミツオ、永野哲久、
YukaRitty、landscapers(Hoonida-Kim +谷口暁彦)
会場:アップルストア銀座店 3F

入場料無料 事前予約不要

このイベントでは、イーフロンティア様のご好意により(ありがとうございます!)、来場者プレゼントをご用意できることになりました。昨年のプレゼントはThe MaxBookでしたが、今回は、ステッカーやストラップなどの販促グッズから、市価ン万円のソフトウェア(複数)まで沢山の種類があります。しかも、数量が多いので、「もれなく」とはならないかもしれませんが、かなり高い確率でゲットしていただけそう。

また、イベント終了後には懇親会を予定しています。こちらも、ご都合がつきましたら、ご参加いただければ有り難いです。会場の都合で人数制限があるのですが、まぁ、大丈夫かな?(根拠ナシ)

iPhoneで日本語(NSString)表示

iPhoneで日本語の入力や表示ができるのは周知の通りですが、それではプログラム(Cocoa/Objective-C)から日本語テキストを表示するにはどうするの?ってのが昨日のマイ・クエストでした。

例えば、アラート・シートのタイトルを英語で設定するには、

[alertSheet setTitle:@"Shinjuku"];

でOKなんだけど、

[alertSheet setTitle:@"新宿"];

はダメ。文字化けちゃいます。

Mac OS Xなら、localizable.stringsファイルを作って、NSLocalizedString()を使うのが一般的(かな?)。iPhoneでも使えるかもしれないけど、もうちょっと簡単な方法はないかなとNSStringクラスを眺めていると、stringWithUTF8String:メソッドを発見。ハイ、正解!これで正しく日本語が表示できるし、別ファイルを作らずに、ソースコードに日本語を埋め込むことができます(保守性が悪くなるとも言う)。

[alertSheet setTitle:[NSString stringWithUTF8String:"\xe6\x96\xb0\xe5\xae\xbf"]];

この方法では、日本語テキストをUTF-8でエンコードしてC文字列として表す必要があります。そこで、UTF-8ならMax 5でしょ!ってことで、お手軽コンバータを作りました。

嗚呼、美しき哉、iPhoneとMaxの連携!(笑)

ただし、なぜか(なぜだ?)、バックスラッシュ(\)が正しく処理できなかったので(もちろん、\\でもダメ)、スラッシュ(/)で代用しています。実際には、テキスト・エディタでスラッシュをバックスラッシュに全置換して使ってください。

パッチはCopy Compressedで入れておきますね。

----------begin_max5_patcher----------
574.3oc0W1jiSCCE.dcxovJRrqzI14mlvE.jXC6XAZDxMwSqYRrihcDYlQy0
fiAha.mF3bPhcBkoxsSJXxLcii7ytwe5qumsyctNdq4sDgG3UfO.bbty0wQE
pOfyPeGuRbaVAVnllGi7Y95O4sPOjjzJUgK337RhP.DD43fzb0PcS+kvwXWw
YRFtjnF4MzZ7FJiCdK95Fvq4xszLv6p4f2GLN+JrLaKks4i0jLolyX+k9K.n
jn9GIopNgK8AWN7SXMkTVAQp3EtKHuQtezdZDzaUz.QcuIcX8Lk2TQzqnmG3
x9Qt20suYwDUUuOvaHlzAx59H.p7ALUKDzgDB5ITHGH2QxE2TtlWXRT91OwI
T8HN54ahyiWiUgqwRdsAikZQgsR6HnRXPTxYmwts.TPXFrThEsDTmJAiTZJD
dbKYt9CcpVZg8M0lZdSkAWsx5kfvjgLpvyRWIppoL4UfKZeQqAeEaeeoSsRB
N6J.oRhoMohruhP5SA8O6TjDzsIkAGEZcGkNXpfkQmtidxq55NuiZPSAVWS5
1v3imIEXkLoBpPZkKW9aM8yu7se70uaPT+GtxotMb9uvoZk5jGa+ucQwZe7G
ZNAuoNa7UM78Hfc7lSDRJCKob1eNGzClzVZdNQM9Hjkz7Jd2IACLbf+FmJRn
IfTvrRTvDHJbVIJbBDEMqDkLAh5t.E.NqNB9HDkLqNZ0TJ17mUjRe9gzdK2Q
1S5DxkhSUm0uZ3h1658OBazDXMdV0W7DKD+aIpqy8t+BGFJf0A
-----------end_max5_patcher-----------

【追記】コメントをいただきました。ソースコードのエンコーディングをUTF-8にして、以下の記述で日本語表示ができます。

[alertSheet setTitle:[NSString stringWithUTF8String:"新宿”]];

よって、Maxでコンバート云々は無用の長物でした。ご指摘ありがとうございます。

2061:Max5オデッセイ

右のサイドバーにMax5変更点を追加しました。書籍「2061:Maxオデッセイ」の内容に関して、Max 5で変更になった箇所をまとめています。そして、ダウンロードに2061:サンプル・ブラウザのMax 5対応版を登録しました。いずれも完璧ではないと思います(そうそう、完璧なんて有り得ない)ので、今後も随時アップデートしてきます。何かお気づきの点がありましたら、どうぞお知らせください。

 かつてのサンプル・ブラウザは、本来日本語をサポートしていないMax 4.6で日本語処理をしていたので、これをそのままMax 5で開くと、以下のように文字化けてしまいます。サンプル・パッチも大半が問題なく動作するんだけど、微妙な見かけの不具合を修正しながら、数百個のパッチをMax 5形式で保存し直していました(涙)。

残るは、2061:オブジェクト・ブラウザですが、これをMax 5用にパッチを変更するのが良いのか、Max 5の新しい機能(例えば、ファイル・ブラウザ)に統合するのが良いのか、決めかねています。もともとオマケだったし、このままフェード・アウトでも良いかもね。