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FlashとWiiリモコン

今回の学生クエストは久々のWiiネタで、WiiリモコンをFlashで使いたい、というものでした。Flashはヤメとけば?と即答はしたものの、それじゃあんまりなので(笑〜AIR+Flexという建設的な意見もあり)、以下いくつかの方法を挙げておきます。いずれも単なる知識で、きちんと実証してません。何故ってFlashは持ってないからね(ウソ)。

まず、手前ミソなあたりから、aka.wiiremoteを使うとして、MaxとFlashとの通信を考えれば、次の2つの方法があります。

方法1:jit.qt.movieでswfファイルを読み込んで再生。flash_varメッセージやgetflash_varメッセージを使って、flashの変数を読み書きする。Jitter Tutorialの44番「Flash Interactivity」あたりを参照ね。書き出すFlashのバージョンやQuickTimeの設定に要注意

方法2flosc (Flash OpenSound Control) を介在させて、OSCをプロトコルとしてMaxとFlashを通信させる。Maxではudpsendやudpreceiveを使い、FlashではXMLSocketを使います。floscに付属するサンプルを見れば、なんとかなるでしょう。

Wiiリモコンのデータ・ハンドリングだけなら、専用アプリを使うのが簡単。

方法3OSCulatorからOSCメッセージを送り、floscを経由してFlashで受け取る。方法2のMaxをOSCulatorに置き換えたものね。OSCulatorは次のMIDI送信も可能。

方法4WiiToMidiThe Wiinstrumentを使い、MIDIメッセージをFlashに送る。Flashは標準でMIDIを受け取れる(よね?)。

FlashムービーをWebブラウザで再生するなら、ブラウザ限定プラグインあり。

方法5:Firefoxの拡張プラグインWiiRemoComを用い、JavaScriptでWiiリモコンの状態を取得し、JavaScriptからSetVariable()関数でFlashへデータを送り込む(のかな?)。

どうせなら、Wii本体のインターネット・チャンネルでやれば?ってことも考えられます。

方法6:WiiのWebブラウザ(Opera)は、標準でWiiリモコンの状態をJavaScriptで取得可能。それがwindow.opera.wiiremoteオブジェクトで、このページの後半に情報が載っています。細かなデータは取れないけど、解釈されたデータは使い易くなっています。

他にもありそうですが、面倒なのでこの辺で切り上げます。こんなにイロイロあるのは決定的な解決方法が無いからで、やっぱり馬鹿なんです。いや、手足をもがれた可哀想な立場と言うべきかな。セキュリティ命ですから(笑)。

ともあれ、一番手っ取り早いのは、方法4やOSCulator(下図)あたりでのMIDI送信のような気がします。ただし、MIDIのコントロール・チェンジの場合は、一般に7ビットなので、精度が要求されない用途向きね。

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Leopardは10/26発売

Mac OS X v10.5 “Leopard”の予約注文の受付が始まりました。今注文すれば10/26にお届け〜だそうです。グラフィッカー垂涎、待ちに待ったCore Animation搭載ですよ。Quartz Composerも正式にOSCに対応するから、aka.iphoneでも使えます。iPhone SDKがどうなるかも大注目。私も先ほどワンクリックしました(笑)。

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一応これでもADC会員(さすがにPremierではなくてSelect)なので、ちょっと待てば正式版が送られてくるんだけど、一刻を争うのは、11月後半に予定されているバレエ公演に使うためなのです。ホント間に合って良かった〜って感じですけど、新しいOSがないとバレエができないって人も珍しいですね(笑)。いや、踊るんじゃなくって、私は映像担当です。福岡の人はお楽しみに〜〜

ちなみに、IAMASでは先月にコンピュータのリプレイスがあったのですが(なので、今は誰もが最新のMacBook ProやMac Proを使っている)、今回からOSの自動更新付きの契約にしたそうですよ。なので、学生な人にも間もなくLeopardが届けられるハズです。なんかいいタイミングですね〜。

【追記】「300を超える新機能」というページがありますが、音楽・音響系の新機能は挙げられていないみたいです。オーディオ周りはTigerで既にフル・スペックってことかもしれませんが、ちょっと寂しいですね。ただ、QCについて一言も触れられていないくらいだから、我々的にはズーパーな機能が沢山控えているハズ。

【追記】USのサイトでも日本のサイトでも6:00PMからApple Store他で販売開始ってなってますね。現地時間での6:00PMなら、世界で一番早く日本で販売が開始されることになります。そして、本拠地のUS西海岸(やハワイなど)は一番遅くなる。ボジョレー・ヌーボーみたい。

【追記】おっと、間違えました。UTC+14のキリバスはないとしても、UTC+12:45のニュージーランドやUTC+10のオーストラリア東部のほうが日本より早いですね。販売店はきっとあるんでしょう。

iPhone Application List

すっかりiPhoneサイトと化している今日この頃ですが、今回はiPhoneのサードパーティ製アプリケーションを集約しているiPhone Application Listをご紹介。

このサイトに限らないけど、面白いのは、WebアプリなのでMac/PCのSafariでもそのまま動いちゃうことですね。なので、iPhoneを持っていない人も、普通に楽しめちゃいます。iPhoneのWebアプリとして、どのようなことができそうかを把握するにも役立ちそうです。

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Cocoaプログラマに比べてWebプログラマは何倍もいるだろうから、現在も沢山あるけど、今後さらにiPhoneアプリが増えていくでしょうね。その意味では、Appleの方針は正しいと言えます。でも、込み入ったことや高度なこと、そしてハードウェア絡みことはWebアブリじゃ難しいので、Cocoa開発環境の公開も強く望みたいところです。

OMax、あるいは狂った果実

IRCAMが開発しているソフトウェアにOMaxってのがあって、OpenMusic(音符系Lispプログラミング環境)のMaxインターフェースによる自動即興ツールですね。懐かしい感じの現代音楽を目指している人にはバッチリだし、変なインプロにも使えるかもしれないんだけど、そんなことはどうでも良くって(しかも現時点ではPPC版のみ)、紹介したいのはコレ。

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いや〜なんとも狂ったGUIでしょ。ゲテモノ趣味というか、怖いもの見たさに使ってみたくなりますよね。久々にMaxらしいGUIを見せていただきました(笑)。

オーディオ・ファイルのフォーマット変換

Macでのオーディオ編集の定番と言えば、BIAS社のPeakかな。でも、コイツは意外とサポートしているファイル・フォーマットが少なくって苦労します。

そんな時は、NCH Swift Sound社のフリーウェアSwitchあたりがいいんんじゃないかな。これはフォーマット変換に焦点を絞ったユーティリティです。より多くのフォーマットをサポートした有償版のSwithc Plusもあります。

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それから、sbooth.orgがオープン・ソースとして制作しているMax(紛らわしい名前!)なるソフトウェアもなかなかいいです。使い勝手はSwitchに劣りますけど、Switch Plus並に多くのフォーマットをサポートしています。

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この手のソフトウェアは結構沢山あると思いますので、より良いものがあれば教えて下さいませ。

iTunes 7.3

海の向こうでは大騒ぎですが、こちらではiTunes 7.3をダウンロードして、追加されたアイコンを眺めるくらいしかないです。Gizmodoのライブとかもありますけどね。あ〜今、アクティベーションやってる…

ほんと、こーゆー時は美しい国ならぬツマラナイ国だなって思います。これまでGSMが使えないこと、2Gも3Gも唯我独尊状態であることが国会で議論されたことがあったんですかねぇ?

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かなり長くなるので、恒例の内部テキスト探検で得られた財宝は、コメントに入れておきます。

MがIntel-Mac対応

Cycling ’74のMがバージョン2.7となり、Intel-Macにネイティブ対応したそうです。バージョン2.5.7以降であれば無償アップデート、新規購入はUS$74です。日本ではアイズさんから国内版が出ています(ソフトウェア自体は英語表示のままだけど、日本語マニュアルが付属)。

Mは元々軽いソフト(4チャンネルのMIDI)なので、Rosettaでも楽々動いていたんですが、Intel-Mac対応で更にモア・ベター・グラシアスです。まだ使ったことがない人もダウンロードして、デモ・モードで体験してみてはどうでしょうか?

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このMは、David Zicarelliが制作(あるいは共同制作)した音楽ソフトウェアの初期傑作ですね。同時期にJamFactory、OvalTune、UpBeatなどもありましたが、Mだけが今日に至るまで更新され続けているのは、文字通りクラシックであり、金字塔ってことなんでしょう。

しかも、ひたすら新機能ナシでOS/CPU対応のみを続けているので、これは古美術の修復みたいですよね(笑)。だけど、美術修復的な作業は、テクノロジーによるアートやツールにとって重要課題のひとつとして考えるべき時期に来ているハズ。その意味で、DZがMを更新し続けているのは、希有な例であると同時に先鋭的な意識の現れだと思うな。

もっとも、M自体は20年以上前の骨董品なので、今日的な意義を見い出すのは難しいですね。私が頻繁に言う「機能ではなく言語」の「機能」のほうですから。逆に言えば、M(機能)で事足りるなら、Max(言語)を苦労して使う必要はない、ってことです。

追記:無償アップデートを申し込んだら、ナント3分後に新しいシリアル番号が届きました。現地の午後(日本では朝)だったこともあるんでしょうが、近くのコンビニに行くよりも早かったです(コンビニでは取り扱ってませんけどね)。

ウィンドウを脱ぎ捨てて

WWDC2007の基調講演に限って言えば、なんだかイマイチな感じでしたけど、その後の非公開部分がスゴイことになっていればイイですね。開発者向けの会議だから、打ち上げ花火は不要で、地に足が着いた内容であるべきなんでしょう。ただ、Appleのサイトに掲載されたLeopardの概要を眺めているうちに、フト心に浮かんだのは、Mac OS X(あるいはOS X)はウィンドウを捨てようとしている、って予感です。それは、3D風になったDockや新しく追加されたStacksを見た瞬間に沸き起こったことで、ちょっとまとめて書いてみます。

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まず、これまでウィンドウは、ある世界に対する「窓」として機能するという前提に立ちます(もちろん、これ以外の解釈も可能だけどね)。つまり、窓から外を覗くわけですね。ウィンドウを開くことは、それまで隠されていた世界への穴を穿つことになる。これは従来のFinderでは特に顕著。

一方で、ウィンドウはデスクトップ上にあり、一枚の「紙」(シート)のように見えるよね。こっちの代表格はWebブラウザかな。ウィンドウがオーバーラッピングしている状態を、窓が重なり合っていると見なすのは何とも不自然だけど、様々な紙が重なっていると考えれば、納得できます。

つまり、ウィンドウは、機能としては(そして、言葉としては)「窓」なのに、見え方は「紙」であるという矛盾があったんじゃないかな。この矛盾を解消するには、より窓らしくするか、より紙らしくするか、2つの方向があるハズね。そして、Leopardは、ウィンドウをより紙らしくする道を選択し、窓としての性質を捨てようとしてる、と感じたわけです。

振り返ってみると、Mac OS(Classic)のウィンドウは、境界線(窓縁?)が明確に描かれていて、窓としてのウィンドウだったんだよね。これに対して、Mac OS Xでは、標準ウィンドウの境界線を描かず、影(ドロップ・シャドウ)を付ける。これは、紙としての見え方ですよね。

それから、iTunesを始めとするiアプリ群は、いずれも基本的にワン・ウィンドウであって、インスペクタなどには明らかに異なるフィーリングを与えている。Final Cut StudioなどのProアプリは、境界線のあるマルチ・ウィンドウだけど、各ウィンドウをピッタリ隣り合わせて、オーバーラッピングを避けている。そして、最大の鬼門であったであろうFinderも、LeopardではiTunes化している。

さらには、FinderでのスライドショーやiPhotoでのフルスクリーン編集などでは、最早ウィンドウそのものが存在しない。もちろん、この先はiPod、Front Row、Apple TV、そしてiPhoneのGUIへと続くことになる。もっとも、モバイル・デバイスや家庭用テレビのためのGUIが、いわゆるコンピュータのGUIとして最適とは限らないですね。でも、可能な限りFront RowやiPhoneと親和性を保ちながら(コンピュータ会社でなくなったAppleには重要なこと)、Leopardはウィンドウに頼らない新しいGUIを模索しているじゃないかな?

それは、情報を現実に存在するかのように視覚化し、それらの関係を現実に近い雰囲気として表す、よりオブジェクト(物体)っぽいGUIって感じかな(まだうまく言語化できていない)。つまり、ウィンドウを消滅させると、世界の縁が消えてしまうから、情報の組織化が難しくなる。そこで、ウィンドウ・システムの代わりに登場するのが、アニメーションによる運動性や半透明を含む3次元的な空間性による表現。それを端的に示しているのが、DockやStacksだと思うな。

このように考えると、1984年のオリジナルMacintoshから連綿と受け継がれてきたGUIが、ゆっくりと、でも確実に発展的解消に至りつつあるように思えてくる。半透明になったメニューバーも、もう消してしまいたいキブンなんじゃんない? 目指すところは、いくつもの世界が散乱する混沌としたマルチ・ウィンドウではなく、スッキリ爽やかで端正な佇まいのモノシリック・ワールド(一枚岩の世界)と思うわけ。

余談ながら、以上の考えが正しいとすれば、ウィンドウ自体を3D化するGUI(何種類かあり)は、より矛盾を深めることになるよね。ボタンを掛け違えたまま、全力であらぬ方向に突っ走ることになりかねない。PC君のWindowsなんて、名前からして呪縛されているしね。窓の中に窓があるって、ほんと奇々怪々。うむ〜〜御愁傷様。

Google電卓を使え!

例1:24ビット96kHzで5分の曲を32トラックで録音しよう。ハードディスクの容量はどれくらい必要?

【入力】24ビット* 96kHz * 5分 * 32
【回答】(24ビット) * (96 kHz) * (5分) * 32 = 2.57492065 ギガバイト

単位は英語でも日本語でも構わないけど、さすがにトラックは認識してくれません(悲)。

google-calculator.gif

例2:ステージから最後列席まで100メートルとして、どれくらい音が遅れるのかな?

【入力】100メートル / 音速
【回答】(100メートル) /海面での音速 = 0.293866996 秒

ん?海の上で演奏するわけじゃないんだけど(笑)。もちろん、意味としては海抜0メートルってことですね。気温は反映できないのかな?

例3:4 char 640 480のマトリックスを30fpsで1分間溜め込みたいんだけど、必要メモリは?

【入力】4 * 8ビット * 640 * 480 * 30/s * 1分
【回答】((4 * (8ビット) * 640 * 480 * 30) / s) * (1分) = 2.05993652 ギガバイト

char、VGA、fpsあたりは使えないみたいです。映像系はちょっと弱いのかな?

と言う訳で、Googleの検索ボックスに数式を入力すると、検索結果ではなく計算結果を表示してくれます。これは結構有名だと思うけど、四則演算だけでなく単位を考慮した計算をしてくれるんですね。しかし、Googleのヘルプ(しかも英語説明だけ)にはあまり詳しいことが書かれていないので、他にもいろいろ探してみてください。パソコン君が言っていたクールなソフト、電卓ってコレのことだったのかもね。クラフトワークの電卓は、もちろん、コレではありません。

Lilyの開発が進行中

以前にもお伝えしたLily(Webブラウザ上で開発&実行できるMax風ビジュアル・プログラミング言語)の開発が進展しています。新しいベータ版では、TwitterやOSC、それにArudinoなどにも対応していますね。LilyのWebサイトも整えられつつあります。

私が試した限りでは、日本語の表示や処理も大丈夫のようですが、ファイル保存して再度開いた時に余計な制御文字が入っちゃいます。他にも問題があるかもしれませんので、皆さんもベータ・テスタになって日本語チェックしましょう。

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