12/7-8は金沢で公開講座

今週末は金沢美術工芸大学メディアアート公開講座(講演とワークショップ)を行ないます。冬の金沢と聞くだけでワクワクしちゃいますね。季節柄、場所柄、インタラクティブ雪吊りを作ります…ってのはイケてないジョークですが、私の制作において考えていることをコンパクトにお伝えして、体験していただける機会になると思います。

ちなみに、大学での特別講義は学外非公開のことが少なくないのですが、今回は一般の方も聴講していただけるようです。お時間がありましたら、金沢近郊の方は遊びに来てくださいね〜。

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メディアアート公開講座 メディア作家 赤松正行

講演「ダイナミック・メディアとしてのアート」
2007年12月7日(金)17:30~19:00
金沢美術工芸大学 視聴覚室(一般公開・入場無料)

ワークショップ「知覚+機械+表象」
2007年12月8日(土)9:30~12:00
金沢美術工芸大学 コンピュータ室(在学生対象・一般の方は見学自由)

地図

Pogo Stylusでペン操作

Gizmodoに紹介されていましたが、iPhoneをペン操作するための特別なスタイラスがPogo Stylus。ご存知のように、iPhoneのタッチ・スクリーンは静電容量タイプなんだけど、こいつは生指でもないのにタッチできるみたいです。

実際の使い勝手は分かりませんが、取り敢えず,不可能を可能にしたという点で賞賛モノですね。単なる棒にしては破格のUS$24.95という強気の値段も、独自性を伺わせてくれます。特許出願中らしいです。2本あればピンチとかできるのかな?

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CoreMIDIServer.frameworkの幽霊

Leopardになってから、Maxを起動する度にCoreMIDIServer.frameworkというフォルダがDockに現れていました。実害はなかったので放置していましたけど、さすがに気になって調べてみると、これはLeopardに対応していないMIDIドライバがインストールされていると起こる現象だそうです。

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解決策は、当然のことながら、Leopardに対応したMIDIドライバをインストールすること。でも、まだ対応していない製品も少なくないので、その場合は、/Library/Audio/MIDI Driversフォルダにある非対応ドライバ(.pluginファイル)をゴミ箱に捨てるしかないですね。

Tigerからアップグレードした人や、移行アシスタントを使って各種ファイルを自動転送した人は要注意でございます。

ちょっと便利なGUI管理術

Maxで沢山のスライダーやダイアルなどのGUIを必要とする時に、どうしても複雑怪奇なパッチになりがちですよね。それを解消するのがMax5のPresentationモードでしょうけど、現状での解決策として、ここでは私がよく使うテクニックをご紹介ね。

まず、必要なGUIオブジェクトを並べて、それぞれに名前を付けます(図の上部)。そして、autopattrオブジェクトとpattrstorageオブジェクトからなるオマジナイ(図の下部)を入れます。

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後は、GUIに付けた名前と同じreceiveオブジェクトを作れば、パッチ・コードを繋がずにGUIの値が得られます。pvarオブジェクトは同一ウィンドウ内でしか使えないけど、この手法はsend&receiveなので、どこでも使えます。

なかなか簡単&効果的でしょう? 数個のGUIなら有り難みが少ないけど、十数個、数十個ともなれば、このようなスマートな手法なしには無茶苦茶大変ですからね。

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ちなみに、GUIの名前は何でも構いません。ただし、複数のパッチを開いた時でも混乱が生じないように、私は最初にパッチの名前を付加するようにしています。このパッチでは「Sample」の部分ね。

さらに、先頭のスラッシュ(/)も本来不要だけど、OSC系のアプリやデバイスを使う時に便利なのです。例えば、LemurならGUIオブジェクトを「Custom Address」にして、MaxのGUIオブジェクトと同じOSCメッセージ名を付けます。

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んでもって、以下のようにMaxでのオマジナイ部分をちょっと変更すれば、バッチリ相互リンクして動作してくれます。LemurによってMaxを操ることができて、Maxでの操作もLemurに反映されます。しかも、フィードバックによるオーバーヘッドなしのスグレもの。これでサクサクとLemurを操ることができます。

lemur2message.png

と言う訳で、オマジナイが何をしているのかは各自研究していただくとして、それが理解できなくてもオマジナイをパッチに入れておくだけで大丈夫です。ファイルのダウンロードは以下のリンクからどうぞ。

gui2message.zip

12/5は名古屋で幻燈ライブ

バレエ&ダンスづいていますが、来週は名古屋で幻燈ダンスholonに参加します。このholonでは、影絵としてのダンスとOHP(オーバー・ヘッド・プロジェクタ)によるアナログ映像が主体となっていて、デジタル三昧な昨今のメディア・パフォーマンスに比べると、かなり衝撃的な舞台です。私は新ユニット(笑)にて音楽を担当します。

ちなみに、12月だからという安直な理由で、モチーフは「くるみ割り人形」です。もちろん、ホフマンの童話やチャイコフスキーの音楽をそのまま使うわけではなく、一般的なバレエ舞台とは全く違った作品になると思います。乞うご期待。

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幻燈ダンスholon「くるみ割り人形」
出演:森田太朗(ダンス)+森田こころ(幻燈OHP)+赤松正行武子(音楽)
日時:2007年12月5日(水) 19:00開場 20:00開演
会場:KD Japon [地図]
   名古屋市中区千代田5丁目12-7
   TEL. 052-251-0324
   E-mail. kdjapon@gmail.com
料金:2000円

それからのアリス

福岡でのバレエ公演「それからのアリス」が無事終了。出演者や関係者が多いし、場面が細かく構成されているので、全体像を把握するだけでも大変でした。だけど、サイトウマコト氏の卓越した構想&振り付けと、それに応えるチビッコから大御所まで数十人のダンサー達の見事な踊りで、素晴らしい作品になったと思います。心配されていた集客も大ホールにぎっしりで、興行的にも成功だったみたい。

で、ストーリーやダンスについて書くのはおこがましいので、私が担当した映像パートについて少々書きます。

まず、前半はカーテンに模したスクリーンに、小型のワイヤレス・カメラを指先につけたルイス・キャメラ(ルイス・キャロルのモジリね)が映像を送り込みます。ワイヤレス・カメラの映像はハイキーでノイズ混じりだし、時々は大きく乱れるんだけど、それが怪しげな雰囲気を醸し出します。こーゆーのはデジタル処理では出せない味ね。Time Machine!の映像エンジンを使った時間的な処理は、そこはかとなく使った程度にして、節度ある進行だったハズ(笑)。

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前半のおぼろげで小さめの映像(3m×2m)に対して、後半は背後の黒幕が開いて、ホリゾント幕いっぱいに巨大映像(20m×9m)を1万ルーメンのプロジェクタで投影。ワイヤレス・カメラを含めて3台のビデオ・カメラの映像を元に、ATOMxGALAXIESエンジンによって無数(ではないが沢山)の球体が乱舞します。そして、終盤では照明が落とされ、無数(ではないが沢山)の球体が雪のように静かに降り昇る中で、最後の大仕掛け(ヒミツ)が登場。現実と幻想を綯い交ぜにして、さぁ泣いてください、って感じでした(ハート)。

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全体を通して映像として狙ったのは、「見えないものを見せる」ということでした。単純に言えば、正面を向いて佇むダンサーの背中の美しさを捉えたかった訳です。踊り終えたダンサーが、舞台袖で荒い息をついている姿も取り込もうかと思ったくらい。具体的には、ルイス・キャメラが動き回って、様々な角度や距離から捉える映像に端的に現れていますね。ズームアップされた巨大映像に映し出される表情や微細な動きもそうだし、無数(ではないが沢山)の球体が示す運動は、ダンサーの踊りが引き起こす世界の変化(=風が吹けば桶屋が儲かる)を視覚化しています(きっと)。

それから、個人的に設定した課題や乗り越えるべき試練(笑)もありました。台本のある舞台に対して、単なる映像のポン出しは低能過ぎるし、かと言って、すべて即興で乗り切るほど達人でもないですからね。大道具代わりに情景的な映像を映し出すのは馬鹿みたいだから、造形的な映像を作る気はない(&その能力もない)。そして何よりも、全体の進行の中での統一感と多彩さのバランスを取らなければならない。映像処理自体は、いくらでも派手にできるんだけど、抑制を効かせた上で最大限の効果を狙うのが大切ですからね(当たり前)。

他にも考えていたことが沢山ありますが、長くなるので以下省略。さて、その結果がどうだったのかは、ご覧いただいた観客の皆さんの判断です(怖い怖い〜笑)。

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ちなみに、今回は初めて本格的にLemurを使いましたが、このようなメディア・パフォーマンスには最適なコントローラだと思います。物理的なコントローラは一般的なミキサーや楽器などを模しているので、オビにタスキで、どうしても無理が生じちゃう。それに対して、Lemurの自由度の高さは有り難くって、次々と起こる変更にも柔軟に対応できますからね。

ただし、痛感したのはLemurを補助的に使うのはダメってことです。つまり、操作対象はすべてLemurに載せて、Lemurですべての操作をするのがモアベアーなんじゃないかな。Lemur、コンピュータ、そして舞台と3ヵ所も意識するのは集中力を削がれちゃいますから。これは音楽の演奏でも一緒ですよね。と言う訳で、もうすぐ別の作品で演奏しますので、Lemurに再チャレンジです。

12/16はIAMAS入試

10月に続いて2回目(最後)となりますが、私が担当するDSPコースを含むIAMASの入学試験が行なわれます。今回は一般入試で筆記試験が中心です。興味のある方は、ココから募集要項を請求してくださいませ。

前回は残念な結果だった人も、がんばってリトライしていただけるとウレシイです。何度も受験される人もいるし、受験はミズモノって部分もありますからね。って励ましているのか、脅かしているのか良く分からないこと書いていますが、もともと募集人数が少ないので、心苦しい場合が少なからずあるわけです。

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国際情報科学芸術アカデミー(IAMAS)一般入試
出願期間  2007年12月3日(月)〜12月7日(金)(必着)
選抜試験日 2007年12月16日(日)
合格発表  2007年12月19日(水)

クルマにもOS X

Engadgetの記事で知りましたが、VolkswargenとAppleが協業中との噂は、コンセプトカーSpace Up!に搭載されているGUIとして現れて来たようです。正面のダッシュパネルも横のカーナビ系パネルも、OS X風というかLeopard風というかCover Flow風になっています。しかも、Volkswargenは今後このGUIを全車種に導入していくとか

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これまた、OS X汎神論ですね。クルマの操作系、特にカーナビのGUIは無茶苦茶なものばかりなので、これは待ち遠しいです。ちなみに、ここ数年のマイカーはNew Beetle→New Beetle Cabrioletなんだけど、最近のVWはイマイチなので、さっさとリリースしないとダメでしょう。

ただし、これに限らないけど、GUIは見なければ操作できないのが最大の難点。クルマのUIとして、Appleがどうアレンジするのか、お手並み拝見ですね。近代以降の視覚依存性からの脱却に、未来はかかっています。

GrandPerspectiveの眺望

TidBITSで紹介されていたので、試してみたら、とても奇麗なので気に入りました。奇麗なだけじゃなくって、なかなか役立ちます。これは、GrandPerspectiveというユーティリティで、私のMacBook Proのハードディスクの内容をグラフィカルに表示したものです。

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個々の矩形がファイルを示していて、その大きさはファイル・サイズに対応しているとか。同じフォルダに含まれるファイルは同じ色で示され、フォルダごとに近接してまとまるように配置されるみたい。マウス・ポインタで示せば、ファイルの名前が表示されます。

目立つところを調べてみると、右下の赤い四角はスリープ・イメージ、中央やや左下寄りのオレンジぽい一群はDVDのキャッシュ・ファイル、左端の細かな赤い集まりは高品質ピアノのマルチ・サンプルといった具合でした。

このソフトウェアはフリー(オープンソース)なので、早速ダウンロードして、ウットリしてみてください。起点となるフォルダを変えて描画したり、毎日描画してコレクションするってのもイイんじゃないかと思います。あと、これがGoogle Mapのようになるとサイコーですね。

iPhone 1.1.2からの脱獄

昨日のドイツでのiPhone発売に合わせて(ちょっとだけ先行して)、AppleからリリースされたiPhone(およびiPod touch)のFirmwareバージョン1.1.2へのアップデート。1.1.1で利用されたTIFFライブラリの脆弱性は、セキュリティ上当然フィックスされたので、再び牢屋入りになります。と思いきや、何時間も経たないうちに解決されちゃいました。早い早い超特急。

脱獄方法はココココ、SIMロックの解除方法はココ、罠にハマっちゃった人の反省方法はココ、ってあたりかな。iNdependenceやiFuntasticあたりのお手軽ソリューションも登場するでしょうから、それから試すよ!とUS特派員は申しておりました。

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ところで、なぜこんなに素早く対応できたのかを考えると、まずは、iPhoneの解析が進んで、勝手開発チームにノウハウが蓄積されているってことがあるよね。0.0.1アップだから大幅な変更がなかったことも想像できる。

だけど、それだけじゃなくって、公式SDKが予定されているように、今後Appleはオープンな方向に進むんじゃないかな? 勝手開発チームの活動も妨害しない。もちろん、Android/OHAの影響もあるハズ。むしろ、Android/OHAを利用しているんじゃないかと邪推したくなるな。

つまり、最初はクローズドなシステムを前提に、通信キャリアと有利な条件で契約を結ぶ。これは、Appleにとっては新規参入分野だから、相手を納得させるだけの餌が必要だからね。次いで、製品を成功させてマーケットでの地位を確立すれば、徐々にオープンな方向に持って行く。この時に業界や消費者の動向をうまく利用して、通信キャリアに圧力をかけて承諾させる。

ただし、オープンであるのはサービスやコンテンツのことね。ハードウェアに密接に結びつけたソフトウェア(OS)の独自性・占有性は譲らない。iPhone/OS XこそがAppleの聖杯であり、利益の源だからね。何度か書いたけど、デジタル・コピーに価値はないという事実とも適合する戦略になっている。

ちなみに、これってiPod/iTunesが辿って来た道と同じだよね。最初はDRMでレコード会社を安心させておいて、マーケットを確立した後に、消費者の反対運動などを後ろ盾にして、DRMを廃止する。ね!一緒でしょう?

ただし、音楽より何倍も通信はパイが大きいから、人的リソースが何倍も投入されて(勝手開発チームも含む)、iPodとは比べ物にならないくらい急ピッチで事態が進展している。なんだかクラクラするよね。このジェット・コースターの行き着く先がどこなのか、とっても興味深いです。